ガラ

クタクタでぐっすり

Sep. 1, 2004

2004年9月1日 水曜日

朝までの強制給餌を担当して、勤め人の皆さんがラッシュの電車に乗っている頃に仮眠をとっていたら電話。まだ30分も寝ていないじゃないか・・・勿論こうちゃんが出てくれたのだが、たくさん注文した捕獲器の確認の電話が販売元から入ったのだ。一応名前の確認をしていたら、眠りが浅かったのですっかり目が冴えてしまった。各人に電話して貰ったのだが、やはり私がまとめて発注すべきだったか。しかし世間様が既に働いている時間に寝ていた私が悪い。

そのまま二人で1階に下り、12匹のそれぞれの部屋の朝の支度をしていた。ガラの下痢は治まっている。固いコロコロのウンチが出た。良かった!

しかし突然ガラが吐いた。透明に泡立つ胃液だった。こんなに小さな仔猫が吐くのを今まで見た事がなかったので、ちょっと不安がよぎる。しかし部屋に開放して以来、2度と捕まるものかと逃げ回るガラ。走り回れる元気があるのだったら、きっと重篤なものではなかろう・・・と思う事にした。

ぶどう棚は補修時に刈り込まれ、葉っぱが殆どない。まだ10月あたりまでは伸びるから・・・と言われたそうだが、こんな暑い日に日除けにならなくて困った。しかもぶどうの実がたくさん生っている。今までは葉の陰で見えなかったけれど、思っていたよりもたくさん生っている。それはそうだ、まったく間引かないから。

しかし実があると蜂はいっぱいやって来るし、実に栄養が取られて葉が成長しないだろうと思い、こうちゃんに全て切り落として貰った。何もこんな暑い日にやらなくても良さそうなものだが、何に限らず思いついた時にやらないとまた当分は忘れてしまうのだ。やるべき事が多過ぎるよ、二人とも。納戸の片付けだって全然出来ていない。一日でも早く何とかしたいのに。

ついでに2階のベランダにまで侵食していたぶどうの蔓と葉を撤去する。知らぬ間に庭から屋根伝いに伸びて来て、なかなかいい感じに窓辺で繁っていたのだが、これも剪定時に元の枝を切られてしまっていたので、一日ですっかり枯れてしまった。このまま順調に枯らしては大量のゴミになるだけで、ひいては雨樋を詰まらせるモトだ。

私が陽に当たらないよう気遣って、またもやこうちゃん一人でベランダに出て作業する。きっと熱中症になるだろうな。職人さんが入っていた時に指示し忘れた・・・と言うよりもチェックが出来ていなかったのが大失敗だ。ぶどうなんて厄介なものを植えてあるのが悪い・・・と八つ当たりしたい気分だ。

その間、ガラの様子を観察し、アインとジーコにキドナとタンポポ茶の強制給餌を繰り返す。ガラは元気そうだ。きっと何でもないよね・・・と話していた。

しかし結果として、ガラは午前中だけで6回吐いた。朝からご飯も食べていない。黄疸が出たり、ぐったりしている様子はないものの、これはいよいよただ事ではないと感じ、病院に連れて行く決意をした。決意などと大袈裟に聞こえるだろうが、ガラは本当に捕まらないのだ。『家庭内ノラ』という言い方をやめて『家庭内ガラ』という新語を作りたい位だ。「うちにもいますよ、家庭内ガラが・・・」なんちて。

いや、親父ギャグを言っている場合ではなかった。生憎マツモト先生の病院は水曜は午後休診だ。午前中に捕まえられれば良かったのだが、必死で捕まえようとしては逃げられて何度も諦めかけた。しかしこのまま手を打てずに死なせてしまったりしたら、後悔するどころでは済まない。何としてでもキャリーに入れなくては・・・。

リビングとダイニングの境で狭まっているところに、ケージとキャリーを置き、隙間からすリ抜けられないようにとスノコ板で塞いだ。こうちゃんがケージに向かって追い込む。廊下の方に逃げたり、ダイニングテーブルの下や脚付きのチェストの下に隠れたりするのを、掃除機の先でそっと目的の方角へと追う。そんな事をするのは勿論辛いが、実際にやってみると手では追えないのだ。

キャリーには何度でもペリーが入ってしまうし、ガラが逃げるとテトやイオが追いかけるし、かなり長時間の『追い込み漁』の苦労の結果、無事ケージまでは入った。しかしケージからキャリーに移そうとして逃げられてしまった。ケージの出入り口にキャリーを突っ込んで、隙間はなかったはずなのだが、ガラの気迫にこうちゃんが負けたのだ。こうちゃんのバカ!最初からやり直しだった。可哀想なガラ。すっかり怯えている。

疲れるので同じ描写を繰り返したくはない。兎に角、再度の『追い込み漁』が大量の汗と緊張の中で終わり、今度は無事にキャリーへ移せたので、マツモト先生の携帯に電話させて戴いた。奥さん先生が出て、先生はお出掛けになっていると言われたが、兎に角何とか折り返して貰える事になった。

電話を待っていると、名乗らない相手から捕獲器の事で・・・と電話が入る。今、緊急事態で病院からの電話待ちしているものだから、夕方にお電話下さいとこうちゃんが伝えてくれていた。何故名乗らない?!まあいいや、今はガラの事が最優先だ。

先生から電話があり、緊急に診て戴ける事になった。有り難い。下痢と嘔吐・・・まさかパルボでは?とも考えたが、うちの子達はガラも含め、全員ワクチンを摂取してある。それに潜伏期間を思うと、感染経路が考え難い。外はとても暑かったけれど、車で10分もかからずに到着した。ガラの入ったキャリーは軽い。体重が増えていない事が、計らずとも解かった。

診察台にキャリーを乗せ、皮手袋をした奥さん先生がガラを掴み出す。当然、もの凄い抵抗をして暴れる。ケージに居た1ヶ月で撫でればゴロゴロ言うまでになったのに、その後室内に開放して好きなだけ走り回っていた1週間で、家庭内ガラ・・・もとい家庭内野良になってしまったたガラは、その暴れ方も普通ではなかった。皮手袋で力いっぱい押さえ付けていても、引っ掻き噛み逃げようともがく。見ているのが辛い程。

そして暴れた際、大量の下痢をした。しかしそれで検便が出来たのは不幸中の幸いだ。臭いけど仕方ない。何種類かの検査の結果、パルボやFIPという線は消えたものの、しっかりとあの忌まわしい『らせん菌・カンピロバクター』が検出されてしまった。ああ、我が家の宿敵・カンピロバクター!去年の秋を思い出す。2階の5匹全員に投薬した長い日々を。

当然ガラには口から薬など飲ませられるはずがないのだが、今日のところは注射をして貰い、一応は抗生剤とビオフェルミンが出た。ご飯に混ぜてみるしかないが、結果は判りきっている。苦い薬を混ぜたご飯を、うちの我が儘な猫が食べるとは思えない。薬が駄目だったら、明日も注射に連れて来て下さいと言われる。とほほ・・・また連れて行けるだろうか?もちろん、今日からはまたケージに逆戻りだが、精神的にヘタレな私達が、嫌がるガラを通院させる事が出来るかどうかが問題なのだ。

長くてフサフサの尻尾もおなかもお尻もウンチだらけのガラを連れ帰り、キャリーに入れたままそっとシャワーで下半身だけ洗ってやる。可愛い我が子のウンチーが特段汚いとは思わないが、カンピロのウンチをまた自分で舐めてしまっては、細菌を循環させてしまうのではないか。

普通だったら猫を洗う事には反対の私ではあったが、悩んだ末にお尻と尻尾だけでもお湯で流してやる事にした。怖がらせないよう、キャリーの中に静かに水深1センチほどの湯を満たす。それをキャリーを傾けて排水し、何度も湯を入れ替えて根気強く繰り返す。大丈夫、ガラは怯えていない。おとなしく尻と尻尾を湯に浸けている。生っ粋の野良の子にとっては、人の手の方が余程怖いのだと改めて理解した。

ケージにはプラスチックのケースと、その中にタオルを10枚位入れておき、そっとガラを入れる。タオルの上で動き回っているうちには、自然とタオルドライ出来るだろう。暑い日で良かった。案の定、あっと言う間に乾いた。

タオルをケージから引き上げて、代わりに薄い毛布を敷き、タオルは全て熱湯で洗い、キャリーを消毒し、ガラのケージに新しいトイレを入れてやる。直ぐにオシッコをたくさんした。家に戻っただけでも、随分と落ち着いたようだ。

あとは薬の入ったフードを食べてくれれば良いのだが、そこまでは望めないようだ。療法食の缶詰もキトンの缶詰も嫌がり、ハンストを続けるガラ。食べずに体力が落ちてしまう事が仔猫の場合は一番怖いと考え、薬の入っていない美味しそうな缶詰を与えたら、いきなりパクパクと食べ始めた。それでいいよね、先ずは食べる事だよ。

この出来事で、色々と考える事が多かった。どこまで無理をして病院に連れて行くべきなのか、同じ部屋の全員にも抗生物質を飲ませる事が本当に必要なのか、細菌は全てゼロにしなければならないのか、出来るのか・・・と。タムやイオには投薬は不可能だ。我が家の場合、爪切りが出来る子には原則として経口投薬は可能だ。即ち、爪も切れない相手には、投薬も出来ないという事になる。

本人(猫)の抵抗力が落ちる事で、潜在していた細菌やウィルスがイタズラを始めるのは確かだろうから、やはり免疫力強化に一層努めるべきなのだろう。そして昨日メイン掲示板でも話題になっていたワクチンに関しても、正しい知識を持った上で、飼い主がリスクをもって選択をしなければならないのだという事を改めて感じる。

人にはいちいちオタオタするな、大丈夫だから・・・と言うくせに、我が子の異変となると、からっきし意気地が無いと思う。これからまた1階に下りて、しばらく付き添ってやるつもりだが、兎に角機嫌良く食べてくれる事が先決だ。下痢をした事で一度細菌が減るせいらしく、次は固いウンコもした。下痢がまた明日出たら、その時はまたこうちゃんと二人で最善を考えよう。

リマ

カンピロ娘を舐める

(舐めているのは、カンピロ発覚前です。現在カンピロ娘はケージで隔離しています。)

Sep. 1, 2004

捕獲器の貸し出し依頼は続く。なかなか無礼な電話もあり、対応する声が震える程の怒りを覚えたが、そういう日もあると諦めるしかない。命がけでやり通したい事があるのだから、マイナス要素だって常に付きまとうさ。去年煩わされた愛知の大学院生と比べたら、どんな人間だってまだマシだしな。

とうに夜半を過ぎて、案の定熱中症でダウンしているこうちゃんに氷枕を当て、強制給餌で夜が明ける。新聞紙トイレを作り直したら、ゴミもまとめなくちゃ。しかし長い日記になってしまったな。こんな激しい一日の終わりに一人きりで起きていると、ついつい吐き出さずには終わらない。

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