レン

リラックス

Sep. 17, 2004

2004年9月17日 金曜日

毎日何度となく、マルコがケージを出ては出窓にすっ飛んで行く。その都度、されげなく振る舞えば良いものを、さんざんジャムがどこに居るかを振り返り振り返りして探した挙げ句、ドカドカと慌てて走って行くので、結局は寝ているジャムを起こしてしまう。

ジャムもマルコを追いかけなければ良さそうなものだが、多分嫌いではなく、むしろ好きなのだろうと思う。普通、メス猫でオス猫を嫌う場合は、わざわざ近づいて行って叩いたりはしないものだ。自分が逃げて、決して近寄らないはずだ。

それがジャムは、マルコがケージに入っている間ですら、思い出してはこれまたもの凄い勢いで走って行き(あのデカいデブに、どうしてあんな俊敏な動きが出来るのか不思議で仕方ない)、ケージをバン!と叩く。マルコは怯えて「シャー!」。私達が「ジャムッ、やめて!」と言うと、ジャムはこちらを振り返る。その隙に、マルコはケージの隙間から手を伸ばしてジャムを背後から叩く。どっちもどっちだ。

いや、悪いのはどちらかと言えば、マルコが悪いと思う。ジャムは本当にマルコを良く可愛がっていた。両手で抱えて舐めてやり、寝る時も一緒、まるで本当の息子のようにして慈しんでいたのだ。ジャムもゴマにそうして貰って育ったから、愛する事を自然と身に付けた子だと思った。何しろダントツで身体が大きいものだから、動きに多少の乱暴さはあるものの、マルコが小さい頃は忍耐強く相手をして、いつもヘトヘトになっていたのだ。

なのにある日突然、マルコはジャムだけを恐がるようになってしまった。何時頃からだろう。多分ミュウがいなくなった後、試しに使ったフードの油が劣化していたものだから、それを食べたジーコとマルコだけが下痢をし始めた。ジーコは拒食がやっと少し改善された矢先だったので、命取りになるかと思った程の事件だったが、マルコは体力の衰えだけでなく投薬にも懲りて、ベッドの下に引き篭もる事が多くなった。その頃からだ。私達に対してすら、以前のようには甘えなくなっていた。

しかしジャムは別だろう。親子のように、恋人のように仲良しだったのだ。いきなりそんな裏切りがあって良いものか・・・とジャムは感じるに違いない。マルコが大袈裟に怯えれば怯える程、ジャムは苛々を募らせている。マルコから遠ざければ、腹いせにいきなりジーコの毛を毟る。ただそれだけの悪戯なのだが、弱い子にとっては脅威である事には違いない。悪循環に陥っている。

ミュウが居た頃は、誰もこんなに苛々したり不安がったりはしていなかったように思うのは、ミュウへの私の贔屓目だろうか。いや、みんながミュウを好きだった。ゴマジャムジーコマルコも。アインだって猫嫌いと言いながら、ミュウとはこんな風にして寝ていたのだ。みんなミュウに洗礼を受けて我が家の猫として成長し定着していったのだ。私だって・・・(猫として成長する事は出来なかったが)。

今日は矢鱈と古いページにリンクを張った。それには訳がある。『foto de 「猫雑記」』を少しずつ再構築しているのだが、古い写真はあまりにも技術的に酷くて、見たくない気持ちが懐かしさを上回ってしまう。でも、これは私のサイトの歴史でもある。過去を否定する事は出来ないし、甘んじて自分の未熟さは認めよう。

今だって大した事はないのだが、あの頃に比べたら写真だけ比べてもずっと進歩している。そして写真に苦し紛れに付けて来たタイトルを時系列的に眺めてみると、感慨深いものがあった。なるほど、いい加減に付けていたようで、その子その子の性癖や歴史が読み取れる。あながちいい加減でもなかったのかな・・・と思うのは、あまりにも仕事が忙しくて体調も悪かった頃は、タイトルが付けられず日付けだけになっているのを改めて見た時だ。

タイトルをつけるのは難しい。写真に適当なキャプションを入れるのは性格的に大好きなのだが、タイトルはもっと本来凝縮された言葉で、言ってみれば俳句のような世界が望ましい。私に出来る事ではなかった。私は(良く言えば)もっと散文的なのだ。

ミュウの古い写真を見ては鼻の奥に消毒薬を嗅いだようなツンとしたものを感じ、鶴見のキンタロウを見てはあの時の想いが甦って不憫でならず。だから過去を穿り返すのは嫌いなんだよ。我が日記ながら「酷い文章だ」とか「ここもミスタッチだ」と気づかされるのも不愉快だ。私は性格的に大変潔いのは事実なのだが、ここまで恥を晒している潔さに関してだけはどんなものか・・・。

タム

緊張

Sep. 17, 2004

タムはまだカメラを向けると嫌がるのだが、そっと撫で続けていると小さく「ゴロゴロ」言うようになってきた。最初は誰か他の子のゴロゴロかと思ったのだが、ちゃんと手に振動が伝わってくる。ゆっくりでいいよ、ゆっくり安心しなさい。

しかし人と居る時は緊張を解かないけれど、猫だけの時には部屋のど真ん中を占領しているし、身体もオスのレンよりずっと大きい。立派な猫になってきた。

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