台風接近で絶不調。浮腫み、関節痛、喘息、発熱・・・オールスターでやって来た。もう慣れたものさ。苦しいのは生きている実感だ。力の入れ加減も解かっているので、騙し騙し自分の身体を動かす。食べると具合が悪くなるので、食べたら少し横になる。長く眠ると身体が強張るので、90分以上は寝ない。水分は何度にも分けて摂る。トイレはマメに行く。そして遂に風呂に入る。温めないとどうしようもなくなったから、仕方なしにシャワーでなく入浴してしまった。
こんな時だからこそなのかご相談が多くて、一日中受話器を置く能わず。エサやりに行っている間は、留守電にも入っている。台風の前に保護された仔猫たちは幸運だったね。しかし片方では、台風が来ると知っていて捨てる人間がいるのだ。そしてエサやりさんを迫害し、猫たちを意図的に傷つける住民たちがいるらしい。
全国津々浦々で起きている野良猫問題は、実際には当事者が解決するしかないのだが、実情を聞けば腹が立ち、どうにか出来ないものかと考えてしまう。でもそれはおこがましい事だろう。みんな馬鹿ではないのだから、ちゃんと自分で考えて行動しているのだと思う。誰も完璧な事は出来ない。出来る事をしっかりやり、出来る事を増やして行ける向上心や工夫があれば良いのだと思う。私もね。
一日に何度か、マルコはケージから出て出窓で過ごす。出窓での一回の滞在時間は3時間だったり5時間だったりするのだが、ご飯とトイレの為にケージに戻る感じだ。ケージに戻ったばかりの時に、しつこく鳴く。「ご飯食べるから撫でて」と言っているのだ。「はいはい」といい加減に返事して撫でていると、そういう雑な感じはちゃんと解かるらしくて腕を噛む。心を込めて、自分の気が済むまでは撫でろと言うのだ。なんという我が儘だろう。
そもそも我が家に来たばかりの仔猫の頃、こうちゃんが水の容器を捧げ持って飲ませたりして甘やかしたから、こんな我が儘坊主に育ってしまったのだ・・・とテレサ・ちんに言ったところ、「いいわねえ、こうちゃんのせいに出来るから」と言われた。ふふふ・・・まあね。
ジャムに与えているフラワーレメディの内容を少し変えてみた。今までと違うのは、「バイン」と「インパチエンス」と「ホリー」をやめて、「ホワイトチェストナット」と「ワイルドオート」を加えた事だ。ジャムには喪失感があるというこうちゃんの判断からだ。マルコという弟あるいは遊び友達を失った喪失感、ミュウという絶対的な父性を失った喪失感。
ジャムは賢くて繊細だ。どうしてアタシの寂しさを解かってくれないの・・・と苛々しているのかも知れない。あとは「チェストナットバッド」と「チコリー」「ヘザー」「バーベイン」を加えている。効き目が現れると良いのだが。どれだけ効果があるのかは解からないけれど、こうして自分で処方してみる事は、愛する我が子をしっかり見つめているという事に繋がるとは思う。それ自体が嬉しいのだ。そして自らが持つ免疫力を正常に働かせる為にのみ、こうしたものを使うに過ぎない。
薬ではないのだから、対処療法ですらない。幾ら飼い主が気をつけてやったところで、多頭飼いで生じるストレスは必ずある。限られたスペースの室内で多頭飼いしている事は、もちろん自然な事ではあり得ない。1匹飼いでも同様の事は言える。だからそのストレスを、本人(猫だってば!)がプラスの方向に転ずる事が出来るよう、心のケアのひとつの方法としてレメディも使っている訳だが、それに頼れば何でも解決するという意味でもない。それ以前に、飼い主としてしてやるべき心のケアもあるはずだ。いつもそれだけは、忘れずにいないといけない。
ジャムは今、忠犬の如くこうちゃんの傍らで落ち着いている。こうちゃんがベッドに入れば、必ず定位置である左の肩口に収まる。ジャムは常に誰かの存在を求めている感じがする。その誰かというのが、こうちゃんなのかマルコなのかミュウなのか・・・。誰でも良いという訳でない事は確かだろう。マルコが元のようにジャムを恐れなくなってくれるのが一番なのだが・・・。