みーちゃん

いつもうとうと

Oct. 21, 2004

2004年10月21日 木曜日

昨夜の徹夜の間に、里親募集のページのタイトル画像を全て替えた。当該コーナーのインデックスページと注意書きページと最新頁があるので、合計373頁を一気にやった。知識が無いので、1ページずつ手作業でひたすらやり続けた。これはもう機械的に繰り返す単純労働である。

実際には画像の入れ替えだけでは済まないので若干神経を遣うものの、単純作業だから飽きるし疲れて嫌にもなる。しかしどんなに大量にあっても、途中では絶対に止められない。そういう性癖なのだ。もしくは病気かも知れない。

おまけに全部完了して掲示板で常連さんたちに不具合がないかチェックをお願いした途端、ちょっと気に入らない部分に気づいて里子ページだけ287ページ全てやり直した。まさか再度チェックして欲しいとは言えないから、ミスがないように一層慎重に、且つ一層手早く作業をした。どうしてもっと慎重に事を進められないのだろうと自分が恨めしかったが、集中の甲斐あって一気に終わった。当然とても疲れた。

これを読んで、知識豊富な人は「川口はやっぱりバカだ」と呆れているだろうと思う。サイト内の、ある特定の画像やテキストを別のものに置き換える程度の事は、そんな単純労働をコツコツと積み重ねなくともきっと出来るのだろうという気はしないでもない。何らかのコマンドひとつで出来るのかどうかの確信もないが、兎に角私には出来ない事だけは事実だ。

でも私は忙しいくせに、昔のタイプの「デフラグ」画面で升目が少しずつ塗り変わって行くのをずっと眺めていたいようなタイプのバカだから、今回も知識が無い分を根気と集中力と粘着気質と単純作業の熟練の早さによる作業の速さでカバーした訳だ・・・等と威張るのも虚しいが。

さて自分を貶めた後は、次の対象はこうちゃんである。唐突だが、こうちゃんは子供の頃、忍者になりたかったのだ。そうじゃないかとは薄々感じていた。矢鱈と忍者に関して詳しいし、忍者モノの漫画にも詳しい。手裏剣を作った事があるとも聞いていた。しかし、まさかそれ程真剣なものであったとは想像もしなかった。

と言っても、忍者の修行を全般的にした訳ではない。たった一点、彼の興味は「手裏剣」にのみ集中していたのだ。もちろん手裏剣は日用品ではないし、そうそう売られてもいないだろう。彼は子供ながら、苦労してあらゆるタイプの手裏剣を手作りしたのだ。

最初はブリキの板をハサミで切って作る簡単なものだった。やがて物足りなくなり、両端が尖ったピンセットを分解して十字手裏剣を作った。お祖母さまの裁ちバサミの壊れたものを刃先だけ割って、棒手裏剣も作った。よくよく聞いてみると、裁ちバサミが壊れたのは、海苔やクッキーの空き缶を切り過ぎたせいだった。もちろん手裏剣の材料には、手近で入手出来る金属板として高級な海苔やクッキーの入っていた平たい空き缶はとても重宝したらしい。

学校の工作で、1ミリ弱の厚さの鉄板を加工してブックエンドを作るという授業の際には、みんなはサイドの押さえ板を角をヤスリで丸くする程度にして使っているのに、出来るだけたくさん鉄板を余らせるべく、三角に切った(角は丸く削る)のだと言う。もちろん余った鉄板で手裏剣を作る為だ。

「鉄板なんかどうやって切るの?旋盤があるの?」と聞くと「学校に旋盤なんか無かった。たがねを打って少しずつ切るんだ」と言う。「そんなやり方でギザギザしないの?」「多少はするけど、ヤスリで磨くんだ」「へ〜え。で、たがねって何?」「たがねを知らないで、ギザギザしないかなんて聞いた訳?」「タガメだったら知ってるよ」二人で大声で笑っていたら、アインちゃんがうるさいと言って逃げてしまった。

それはさておき、工作の時間内に無事手裏剣までちゃんと作り上げたらしい。「俺は仕事が速いから、みんながまだブックエンドを作っている間に、両方作っちゃったんだ」と自慢げに言う。彼はその様々な手裏剣をただコレクションしていた訳ではなかった。ひたすら手裏剣を正確に対象物へと中てる為、日々修行に励んだのだ。そして相当な腕前になったと言う。

「どこで投げた(打った)の?原っぱ?」「いや、家の庭で」「犬になんか投げなかったでしょうね?」「なんで犬になんか投げるんだよ。そんな事しないよ」「じゃあどこに投げて練習したの?」「あのね、雨戸のね、戸袋・・・」彼は嬉しそうに身振りを交えて説明を続ける。「戸袋がボロボロになっちゃってさ・・・」「そんなになるまでやったの?」「そう。凄く練習したんだ」「毎日?」「そう、毎日」まるで星飛雄馬だ。

「ぶ暑い衣類を着ていたら、手裏剣なんか刺さらないんじゃないのぉ?」と私は馬鹿にして訊く。「だって本物の手裏剣は、ブリキの手裏剣とは違うんだぞ。厚みもあるし、重たくて破壊力があるんだ」「ふ〜ん、どこで売ってるの?」「売ってないよ、手裏剣なんか」「売っていれば、今でも欲しい?」「もちろん!」変なこうちゃん。まだ忍者になりたいのかなあ。

それから色んな手裏剣の話を聞かされた。漫画『サスケ』の父親が作ったという大きな十字手裏剣のエピソードや、盲目の忍者は聴覚に優れていて手裏剣の飛んで来る音で避けてしまうものだから、音が様々に鳴るよう色んなタイプの穴を開けた手裏剣を開発して遂に相手を倒した(盲人とて、そのマンガの中では悪者なのだ)話だとか、こうちゃんはとても嬉しそうであった。

小さな手裏剣もたくさん作って、マッチ箱に入れて学校に持っていた。忍者好きの限られた友達に、床などに投げて刺さる様子を見せたのだ。ある日、マッチ箱を先生の目の前で落としてしまい「何だそれは?」と見咎められた。「マッチじゃないよな?」「マッチじゃありません」それだけで切り抜けられたと言う。

「俺は先生に凄く信用されていたんだ」と言う。「その先生には褒められた事があるんだ。誰でも授業中に一度や二度はよそ見するものだ。でも川口君は一度もよそ見しない・・・と」

凄くよく解かるよ。信じるよ。だって私も小学校4年の時、担任の星野先生に同じ事を言われたもの。「カズエちゃんを見てみなさい。ずっと先生の顔をしっかり見ているから」と、ある日授業中にみんなの前で褒められた。それは言われて当然だった。私はその日、意識してずっと先生の顔を睨みつけるようにして凝視していたのだ。母親が「先生の顔から目を逸らすな」と言ったので、単純な私は早速実行したのだった。効果はてきめんだった。直ぐに先生は気づいた。

大人なんて、見せ掛けで騙されるんだという事を私は知っていた。私が幼い時に無邪気に言った言葉を、大人の揚げ足をとると言っては「可愛くない」と非難されたし、ニコニコしている妹は「子供らしくて可愛い」と褒められた。でも私と妹では、本質的にそう違いはしないのだ。

私もこうちゃんも、嫌な子供だったかも知れない。こうちゃんは顔も可愛かったし、言葉で逆らいこそしないものの、親なんか全く恐くなかった。天にある「大きな目」に恥じる事がなければ良いのだと思っていたと言う。私はそこまで考えてはいなかったけれど、大人の考えは底が浅いと思って軽蔑していた。何故、私が可愛くないと思えるのか、本質も解かろうとしないで。

しかしどちらもグレる事などなく、多少の紆余曲折はあったとしてもまあまあ穏当に育った。過激なまでに働いたし、仕事で評価される事も味わった。1度や2度の結婚に失敗はしたものの、今では「可愛い」と心の底から思ってくれる最良のパートナーとも出会えた。もう後は、猫の奴隷として生きるだけだ。他には特に望みもない。まあ、日々贅沢ではなくとも美味しいものが食べられれば、それだけで良いかな。

生さば寿司【「生さば寿司」四季食彩 萩】という事で、お薦めの美味しい取り寄せ出来るものを紹介するコーナーも作ってしまった。まだ1点しかないのだけれど、せっかちだから点数が揃うまでなんか待てない。病気だからな。

右の写真(クリックすればショップに行けます)が、そのお薦めの殆ど生の鯖の押し寿司だ。以前ある人から戴いた事があり、それが余りにも美味しくてずっと忘れられなかったのだが、ネットで買えると解かったので早速注文した。今週の土曜日の晩に届くように4本注文し、2本ずつ和田ぶー子と分けるのだ。彼女も美味いものには目が無い。日曜日の朝、テッちゃんが捕獲した猫を病院に連れて来る予定なので、その時に立ち寄って貰い手渡す。早く食べたい。

モア

美少女の面影いずこ

Oct. 21, 2004

今日のジーコの通院は、午後の診療の始まる4時前に行った。おなかに水が溜まって、もう動けなくなっている大型犬も来ていた。ピクリとも動かない。時折涙ぐむ飼い主さんと話しながら、病院が開くのをしばし待つ。

「帰ろうよ、帰ろうよ」と言い続けるジーコは、随分と元気になっているような気がする。たとえ強い薬のお蔭だとしても、あのままでは今日はもう生きてはいなかっただろうと思う。私はジーコに生きていて欲しい。毎日ミュウに祈っているのだ。ミュウには一杯お願いして申し訳ないのだが、でもミュウは私達の神様だと思っているから。有り難う、ミュウちゃん。

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