イオ

真正面を向く

Nov. 12, 2004

2004年11月12日 金曜日

昨夜からの雨は、明け方前には雷を伴なって激しく降った。もちろん私はずっと起きている。こうちゃんも起きていた。交替で少し寝る事にしていたのに、ジーコとアインの容態が気になって、ついつい眠れずにいる。途中でシャワーを浴び、アイスクリームを食べる。喉が渇いて、チルドルームで冷やしてある水(活水)を少しずつ飲む。

その雨は、静岡では集中豪雨だったようだ。TVのニュース画像を見ると、道路が完全に冠水していた。まるで洪水だ。あれでは野良猫は避難できる余地はないだろうな・・・と考えながら見ていた。新潟県の地震の被災地の動物たちも、どうしたって人間よりは後回しにされる。可哀想な現実だが、人間だって充分な救済が出来ていない状況では、世間一般の価値観や常識ではそれでも仕方ないのだと思う。どうでも良いのではなく、無関心なのでもなく・・・。
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ガラは今日はもうすっかり部屋にも慣れて、コタツの中でカワムラ爺に寄り添って寝たり、リマに抱きついてリマのお腹を踏み踏みしながら寝たり、リマに舐めまくられたり、私に撫でまくられてゴロゴロ喉を鳴らしたり・・・一日でもう無駄噛みしなくなっているのは、やはり先住猫たちのお陰だろう。とても可愛い。そして賢い。

私がガラばかり撫でていると、テトがやって来て「ナ〜」と豆腐屋のラッパのような音質で鳴く。「変だよ、その鳴き声」と言うと、またしても「ナ〜」。テトも面白くて可愛い。もちろん悶えちゃん(リマ)も悶えまくり、ルスは「フルルルル・・・」と鳥のような鳴き方をしながら走り回り、イオは「キャッキャッ」と猿のような声で鳴いてお尻ポンポンをせがむ。なんて可愛いんだ、みんな。
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猫を保護して里親さんを探すというのは、とても難しい事だ。保護を必要としている猫は、一部の例外を除いて殆ど状態が悪い。だからこそ保護して家猫にする必要性を感じる訳なのだが。

あるものは風邪をひいて目やにで目が潰れている。あるものはノミやシラミ、ダニだらけだ。もちろんお腹の中には寄生虫がいるケースも珍しくない。仔猫は殆どが回虫持ちだと思っても良い位だろう。保護主は出来るだけのケアをして、飼ってやれなければ里親募集をかける。充分な事をしたつもりでも、譲渡後に色々とトラブルが出る場合も少なくない。そして里親さんは、その為のケアに追われる。

保護主と里親さんとの間に良い信頼関係が築けていれば、どの段階で譲渡しても差し支えないだろう。完璧な事は出来ないかも知れないが、保護主側も精一杯の事をして送り出し、仮にその後何かあれば里親さんも精一杯の事をしてくれるはずだ。ケースバイケースで、うまくやり繰りして戴きたいと思う。

但し、繰り返しになるが、保護主も可能な限りのケアをしてから里子に出すよう努力し、里親さんも保護猫というものの性質をご理解戴いた上で受け入れてあげて欲しい。

うちには保護猫14匹の他に、ブリーダーから引き取った2匹、家で生まれた子1匹、そして保護猫が産んだ子を引き取ったケースが1匹いる。つまり家で生まれた子が4匹と言えるかも知れない。野良生活を知らないその子たちにですら、ウィルス性の風邪もあり、先天的な疾患あり、野良猫の存在を知らない当時に高い金を出して買った血統書つきのミュウにはノミがたくさんいた。呆れたけれど、そういう事もあるだろうさ・・・と思ったのも事実だ。

あれから14年半が経ち、猫に関してだけでも実に様々な体験をした。ノミも回虫も耳ダニもシラミも、ウィルス性鼻気管炎もエイズも蓄膿も、断脚も断尾も眼球摘出も、白血病も肺炎も肺血腫も心筋症も、毎日続くマーキングも夜鳴きも、家の破壊活動も相性の悪い猫同士の喧嘩も、捕獲とリリースも、保護と里親探しも、多頭飼い崩壊からの救出も、いわれない誹謗中傷やキチガイからの攻撃も、思いがけない励ましや善意との出会いも、一番大切な子の死も、強制給餌や寝ずの介護生活も、そして何より楽しい多頭飼いの忙しい毎日も。

そうさ、だから生き物と付き合う限りは何でも起き得るのだと思った方が良い。私の予定では、ミュウは今もまだ健在でいるばずだった。まだあと5年、いや6年は生きて私のパートナーでいてくれるはずだった。理屈では解かっていた。ミュウだって他の子だっていずれは死ぬし、いつ何が起きてもおかしくないと。でも実際に突然(と言っても良いだろう)ミュウを失ってみて、身体で解かった。一寸先は闇だと。そして苦しみは留まるのだと。

ミュウが死んで、私は何も怖くなくなった。ジーコにも死なれたくない、アインももっと生きて欲しい。そして死なれればとても辛いし悲しいだろう。またいつまででも泣くのだろう。しかし去年いきなり味わった苦痛で、私は解かった。誰も苦しみからは逃げられないのだと。

生きて行くだけでも、結構苦しい事ばかりだ。だからこそ、生きている間に味わえる当たり前の小さな事、そして束の間の幸せがこの上ない喜びに感じられるのだろう。嫌々するジーコに1時間おきにキドナを梃子摺りながら入れる事も、アインが尿毒症で凄い臭いの吐瀉物で汚した毛布を洗うのも、そうなってしまった状態の悪さを嘆いたり、今を辛いと思わないようにしよう。今は兎に角、生きてささやかな幸せを感じる事だって出来るのだから。こんな日々でも、ジーコともアインとも密接に触れ合いながら暮らしていられるのだから。

陽ちゃんと株ちゃんを引き取ってくれたニシムラ夫妻は、その日から回虫とカンピロと真菌のケアに追われる事になってしまった。マメに病院にもかけてくれている。忙しいお二人には申し訳ない展開となってしまったが、ニシムラ夫妻は大変前向きに愛情深く取り組んでくれ、保護主の和田夫妻も謙虚に誠実に対応している。保護主と里親の良い関係の見本となってくれるはずだ。どちらも私にとっては信頼する猫飼い夫婦だから、今後も猫を通じて親戚のように親しく付き合える事を心から願っている。

でも真菌は治療に時間が掛かるから、暫くは陽ちゃん自身も大変だね。あの子は保護された時、毛色が判らないほど真っ黒に汚れ、ノミだらけだったと聞く。保護主である獣医さんが洗ってノミ駆除して、やっと茶白の猫だと判ったそうだ。肉球も皮が剥けていたと言う。そして写真で見る限りでも、ガリガリに痩せていた。やっとあそこまで綺麗になったのだ。後は頑張って真菌も治してやろうね。両家の妻同士で相談し合っているので、私もサポート出来る事はさせて戴くし、ずっと見守って行きたいと思う。折角保護されて助かった命だもの、その強運でカビ如きはやっつけようね。

しかしカビなんてものを、どうして創ったんだろう、神様ってば。ペニシリンやカビのチーズを作る為じゃないだろうに。回虫もカンピロも、ナメクジもゴキブリもだけど・・・。
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今朝は何を食べたのだろう・・・毎日きちんと思い出す訓練をしていないと、本当に忘れてしまう。どこからどこまでが今日なのかも判らなくなる。仮眠から醒めて時計を見て、5時で部屋が暗いと、一体朝の5時なのか晩の5時なのか咄嗟には判らない。酷い場合には、外が明るいのに「3時って、もしかして午前3時だろうか?」と焦る。

ともあれ今朝は・・・そう、味噌ラーメンとご飯と漬け物。昼は・・・えーっと・・・納豆と炒り卵でご飯だ。夜は厚めにスライスした豚バラ肉を塩コショウで焼いてカボスを絞ったの(絶品です)、モヤシとえのき炒め、梅干、ワサビ漬。もちろん食事と食事の間には、アイスクリームも食べました。今日はハーゲンダッツのあずき。美味しいよね、この「あずき」。

ペリー

真正面を見る

Nov. 12, 2004

アインもジーコも一度ずつ吐く。ジーコは少量の泡だった胃液。アインは消化吸収されず毒素の強くなった感じの胃液混じりのキドナを大量に。冷蔵庫で保管しているタンポポ茶をシリンジで吸い上げ、シリンジを手の平で握って人肌まで温めて飲ませる。

タンポポ茶には『鼎突多刺蟻エキス 5%』が含まれているらしい。それでアインには「アインちゃん、アリさんジュースよ」と猫撫で声で言いながら迫る。一応これは「リボンちゃん、リボンジュースよ」のCMのパクリなのだが、そんな事を知っている人は少ないだろうな。つまらん。
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この日記の中に、色々とコーナーを設けて来た。『今日のにゃんこ』も勿論続けるけれど、自分の掲示板に貼り付けられた写真から「これは傑作!」と感嘆したものをここで残す事にした。但し、頻繁には出来ないだろうと思う。たまのお楽しみとしよう。

記念すべき第一弾は、愛知の石津さんの写真だ。石津さんは猫仲間の鈴木さんの保護猫「マイコ」ちゃんを一時預かりして里親募集もしてくれていたのだが、たいそう慈しみ可愛がり、遂には先日我が子にしてくれた。その申し出をしてくれた時のメールが忘れられない。本人には了解をとっていないのだが、ここで一部引用させて戴く。

    鈴木さん、今日はお願いがあります。
マイちゃんのことですが、私がいただいてもよろしいでしょうか。
25日に2回目のワクチンも済み、近況報告を書こうとしましたが、
考えていても何か違和感を感じました。

悶々としていましたら、娘が「バカボン子ちゃん、うちに来ないの?」と聞くので、
お母さんが見つかって、お姉ちゃんのフジコちゃんと一緒に、
今は幸せに暮らしているよと話しました。
(決まった時に話してあったのですが、忘れていたようです。)

すると「マイちゃんはお母さんがいないから泣いてるの?」と聞きます。
一時涙目は減っていましたが、最近は気候のせいか少し多くなっていました。
もちろんそんな理由で泣いているとは思いませんが、
それを聞いて吹っ切れました。

メールは鈴木さんと私に宛てたものだが、鈴木さんの保護した仔猫だったので鈴木さんに了解を求めている。幼いお嬢さんの言葉には泣けた。子供ってこんなに可愛いのだろうか。

そのマイコの写真ではなくて申し訳ないのだが、デジカメ初心者の石津さんが、ほんの短期間にここまでの写真を撮るのだから恐ろしい。センスがあるのだろう。サイト開設当時の私の撮った写真など、本当に惨めな位に酷かったのだ。デジカメが悪いせいで(嘘です)。

掲示板から「勝手に永久保存版」
どんちゃん(♂)

撮影:石津さん(愛知県)

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