「丸ぐけ帯締め」で思い出した。
「くけ縫い」・・・「まつり縫い」の事だよね。縫い目が表に見えないように、糸目の長い方を折り込んだ布の中に隠して、目に見える部分にはボチッとしか糸目が見えない縫い方。それだったら、出来るはず。
パッチワークをしていた頃も「くけ縫い」は多用した。小学校の家庭科の授業でも教わった。ズボンの裾上げもそれでやっていたし、何だ、私も「くけ縫い」出来るじゃん。但し、相変わらず縁の処理は良く解からない。
昔はどこの家にも、
「くけ台」というものがあった。布を引っ張って、縫い易くする為の道具だ。うちにも有ったけれど、今はもうないだろう。小学校の家庭科セットにも、本格的な木製のくけ台こそなかったものの、
机にネジで留めるくけ台とかけはりは入っていた。原理は同じだ。
プロの職人は、足の指で布を挟んで、自分の指で布を引っ張りながら、もの凄いスピードで縫っていく人もいるようだ。TVで見ただけだが、いちいちくけ台など使って留め直していては、作業のテンポが落ちるのだろう。
その時見たのは男性の職人だったが、着物を着た昔の女性が、足を広げて足の指で布を挟む(力も要るだろう)などという真似は、少なくとも人目に触れる状態ではとても出来なかったのではないだろうか?いや、昔の女性はたしなみ深いから、人目につかずとも着物の裾を乱して足おっぴろげて縫い物はしないかも知れない。
私の子供時代でも、指ぬきを使った運針も家庭科で習ったはずだ。母も祖母も、自分たちがどれだけ運針をさせられたか、自慢げに話してくれた。しかし私は熟達するほどに練習しないでも済む時代の子供だったから、結局いまだに運針が出来ない。運針が出来ないにしては、縫うのは速いと思う。
キイボード入力と一緒だ。正しい指の運びは知らないまま、練習しないまま、いい加減な指使いで数をこなして来てしまった。だから入力オペレータにはなれない。自分の原稿を打つのには支障ないスピードだが(入力・変換ミスはまた別問題である←威張るな、私)、所詮その道のプロには到底敵わない。
経理部員だった若い頃、電卓もブラインドタッチで凄く速く打てたけれど、これもデタラメな指使いだった。どうせだったらちゃんと正式なやり方を練習すれば良かったのに、どうしてもその気になれなかった。練習が嫌いでも、実技のボリュームをこなして月日が長くなれば熟練していくものだ。
そろそろ縫い物でも再開しようかな・・・と思う。そういうアナログな事をする心の余裕が必要だと思う。料理だけでは、栄養過多になって仕方ない。
そういう訳で、げこちんのお母さんにお願いしたという次第でした。マルコにもその「首巻き」着けてやりました。赤じやないので、ウィンナには見えないでしょ?