《CAT'S EYES & CAT'S HANDS》猫雑記
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ジャム

明け方の窓辺

Aug. 1, 2005
ジャム
2005年8月1日 月曜日

殆ど一年中、小鳥のさえずりが夜明けを連れて来る。

それは暗いうちに始まり、鳴き声に気づくとやがて明るくなるのだ。



しかし今の季節だけは、鳥より先にセミが鳴き始める。

いつも言うようだが、ここは山の中なので、都市部ではあまり聴けないであろう蜩(ヒグラシ)がいる。

まだ薄暗がりの中で「カナカナカナ・・・」と聞こえて来ると、何とも言えず懐かしい気持ちになる。

山の中と言っても、横浜のハズレの住宅密集地でもある。しかし藪や森が残っているので、蜩も細々と居着いてくれている感じだろうか。





私の生まれ育った土地は、近くにもっと本格的な山があった。

わざわざ山の中に住む人はなく、山は山として部屋の窓から眺めていられた。

窓から見える山の麓には渓谷があり、轟々と音を立てて流れる川があった。

少し上流に行けばもっと穏やかな様子の里の川なのだが、ちょうどうちの辺りでは渓谷となっていた。古い吊り橋もあったし、河原に下りれば、大きな石も小石も山ほどあった。



平たい小石を拾って水切りもしたし、川を埋めて向こう岸に渡ろうという計画を立てて石をどんどん投げ込んだ事もあった。もちろん川は少しも埋まらず、へとへとになっていたら、見ていた河川工事のオジサンたちに呼ばれた。叱られるのかと思っておずおずと近づいて行くと、「一杯働いたからおなかが空いただろ」と言ってミカンをくれた。

あの川と山は、私の原風景のようだ。夢にも繰り返し出て来る川。現実のものとは少し違っていて、もっと神秘的で謎の多い不思議な川の風景は、私が繰り返し見る幾つかの夢の中でも、最もわくわくするもののひとつだろう。水に入るのは嫌いだけれど、水のある風景は好きなのだ。それも底の見えない、深い緑色をした山奥の川や沼・・・夢の中で「ああ、ここだ!」と胸が躍る。

現実の世界では、もはやどこか水辺に行く事などはないだろう。忙しいし、実際猫たちの傍に居られる家が一番だ。だけど滝も見たいし、清流下りもしたいし、渓流釣りもしたい。したいと思うだけで、決してしないのだが。



喉の痛みが増して来て、遂に唾を飲んでも痛むようになった。鏡で見える範囲は赤く腫れていないし、鼻水も出ないし、風邪という感じは一向にしないのだが。

喉の奥と耳の奥は繋がっているらしく(実際繋がっているけれど)、そこに時折針で刺すような鋭い痛みがある。一瞬の事だけれど、繰り返しやって来る。ハイポとプロポリスをせっせと飲む。

プロポリスの原液を痛む喉の奥に落とすと、いつもブランデーを飲んだ時のような「カッ」と熱いものがあるのだが、今回はしみて痛い。自然と涙が出るような痛みだ。暫し身体を硬直させて堪えていると、ゴマとこうちゃんが心配そうに見ている。「可哀想なカズエちゃん」と言う。それ程ではないけれど、頭も痛いのは熱が出て来たせいだろうか。

時々、耳の奥がたまらなく痒い事がある。それは大抵、喉が痛いのだ。喉が痒いと言っても良いかも知れない。痛みの軽い時に痒いらしい。私にも覚えがある。プロポリスを愛用するようになってからは、そののどの痒みがあまり出ないので忘れていた。

こうちゃんが時々、眠っている時に耳の中に指を突っ込んで夢中で掻こうとしている。そんな事をしても、痒い部分には届かないのを知っているし、耳の中を傷つけても困ると思って、手を押さえてやめさせる。「それは耳じゃなくて喉だよ」と声を掛けながら。相手は寝ているので、解かったのか解からないのか解からないが。



猫の健康管理ほどには人間の健康管理には興味ないのだが、それでも身体の不思議には興味がある。どうしてリンパが腫れるのか、どうして骨にトゲが出来るのか、どうして爪は巻いてしまうのか、どうして粉瘤のようなものが出来るのか・・・調べても調べても謎は尽きないし面白くて仕方ない。

今は「ウオノメ」に興味津々だ。唐突に、一旦心に浮かんだら、それがなかなか消えない性分で困った。今、自分にウオノメが出来ている訳でもないのに不謹慎だろうか。

ウオノメは別名「鶏眼(けいがん)」とも言う。どのみち「目」なんだな・・・と思う。タコと違って、肥厚した角質がくさび状になって真皮に食い込むので痛みが出るらしい。

足や手などの皮膚の一部分が繰り返し圧迫刺激を受けると、皮膚の一番外側にある角質が増殖し、固く肥厚してくる。かつてはペンダコも座りダコもあったけれど、ペンを使わなくなり、正座しなくなり、どちらも名残しかない。実は車のハンドルを握っている部分には、ほんの少し握りダコがあるのだが・・・。

同じ角質層の肥厚でも、内側に向かって肥厚していくのが鶏眼(ウオノメ)で、外側に向かって肥厚していくのが胼胝(「べんち」・・・タコのこと)である。

ウオノメとタコの違いは痛みの有無で、タコは表面が固くなるだけで痛みは殆どないが、ウオノメは皮膚の深部に向かって三角に尖って増殖していく為、神経を圧迫し痛みを伴う。


ウオノメの写真が見たくて検索したのだが、鳥肌立つような立派なウオノメの写真は見つからなかった。(見つけた人は是非URLを教えて下さい)

実は私も、小学生の低学年の頃に一度だけウオノメが出来た事がある。

父親が飼っていた熱帯魚(ブームのはしりだった)の水のろ過に、ガラス綿を使っていた。水槽を掃除した際、父親が床にそのガラス綿を置きっ放しにしていたのを、私が踏みつけてしまった。子供の柔らかい皮膚の足の裏にガラス繊維がたくさん刺さってしまい、母親はやりっ放しの父を責めながら、私の足の裏の細い細いガラス繊維を丁寧に抜いてくれた。

しかし、ほんの少しだけ残ってしまっていたようだ。それがまるで真珠の核のようになって、右足の親指あたりに立派なウオノメが出来上がった。

痛くて靴も履けないが、今と違って靴を履かないで済む訳ではない。毎日学校に行かねばならないし、体育の授業だって休めない。我慢出来るだけは我慢していた。きっと今よりも痛みに強かったのだろう。個人が我が儘を言えるような環境ではなかったのだ、昔の学校は(昔と言っても、戦前とか戦時中じゃないよ)

そのウオノメは次第に成長して行き、見た目も「芯のある硬いタコのようなモノ」という感じでは済まなくなった。喩えて言うなら・・・そう、噴火口のように口を開き、縁が盛り上がっていて、中は(朧気にしか覚えていないが)おしべのようなものが生えているように見えた。

昔の人は、ウオノメには「めしべとおしべがあるんだ」と言っていた。おしべを幾ら切っても抜いても、めしべがある限りは治らないとも。勿論おしべとめしべなどではないのだが、めしべと言われた「芯」が残っていると、表面だけ削ったりしても痛みがとれない事は事実らしい。

こんな >>掲示板での応答をみつけた。回答している医師の口調が簡潔明瞭でしかも楽しくて、何度も読み返してしまった。

さて、私のウオノメに話を戻そう。母は毎晩、風呂上りでふやけた私の足を嬉しそうに膝に乗せ、そのおしべを毛抜きで抜いてくれた。もちろん痛い。でも血が出ようと、母は毎日私の足の観察とケアを欠かさなかった。

流石は私の母親だけの事はある。オデキを潰したりウオノメのおしべを抜いたりするのは楽しくて仕方なかったのだろうと思う。もちろんそんなフェティシズムはおくびにも出さず、可哀想な愛娘の足を治療している風ではあったが、今にして思うと、楽しくて仕方なかっただろうと思うのだ。

だって私だって身近にウオノメがあったら、毎日何度も見せて貰うだろうし、お金を払ってでもチクチクと生えたトゲのような角質を抜かせて戴きたいと思うに決まっているもの。

あの頃の母は、まだ30代の前半だっただろう。愛し子の皮膚疾患を哀れと思う気持ちに嘘は無かっただろうが、それ以上にワクワクして見ていたに違いない。

その母の歳もとっくに追い越したにも拘わらず、私はまだ皮膚疾患フェチが治らない。オデキが見たい、潰したい、立派に育ったウオノメが見たい、手術で取り出した大きな粉瘤が見たい、皮膚科に置いてあるようなオールカラーの皮膚病の図鑑が欲しい。






本当に具合が悪いのかと疑われるようなくだらない長文、大変失礼致しました。

立派なウオノメやオデキを持つ方がいらしたら、是非撮影して私に送って下さいね。ジョークではなく、本気で宜しくお願いします。

因みに、私のウオノメは「スピール膏」を1週間ほど貼り続けた結果、いとも簡単にボロリと取れて、以後40年一度も再発していない。

きっと芯まですっかり取れたのだろう。但し、擂り鉢状に深い穴が開いたけれど。

マルコ

鳥を眺める

Aug. 1, 2005
マルコ


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