猫雑記20060223

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幸せなこうたん　Feb. 24, 2006

2006年2月24日　金曜日

神戸のムツコの子供になった幸太は、>>ＳＯＳの当時は「たぬき」君と呼んでいた。

既に充分ご承知の方も多いと思うけれど、純血種だからと言って買われたのに、飼い主の身勝手で短い紐につながれたまま7年間も、日の当たらないような裏庭で風雨に堪えていたオス猫だった。

薫ちゃんがその存在を知って、二人で協力して保護しＳＯＳ発信させて戴いた結果、当時里親募集で知り合った神戸のヒロコの妹ムツコが、はじめまして・・・とメールをくれたのが始まりだった。

3年と少し前、初めて対面した幸太は、名前すら付けてもらえていなかった事からも飼い主の無関心・無責任さが解かるように、病気になっても放置されたままでいたらしい。

片目は壊死して眼球すらなくなっていたし、もう片方の目も白濁し、既に全盲の状態だった。

きっと思い出したようにエサを与えていただけなのだろう・・・栄養失調で発育が悪く、仔猫のような大きさしかない。

写真では丸々して見えるが、それはボサボサの長毛のせいで、この時の体重が2キロあるかないかだった。

とてもオスのヒマラヤンの成猫とは思えない。

我が家のチャイが保護当初、幸太と同じ位の体重だったので、その痩せ具合がどれ程かご想像戴けると思う。

毛はフェルトの板が何枚もぶら下がったような状態で、好酸球が多くアレルギー疾患もあった。

何を食べさせても下痢してしまうし、衰弱しきっていた。

人には馴れていないどころか、まるで恐怖と憎悪の塊だった。

近寄るものには威嚇し爪を出した。

世の中の全てを呪っているような気がした。

今更この写真を一目に曝すのは本当は嫌なのだが、改めてどれだけ酷い状態を堪えて来たのかを知って欲しいと思う。

だけどそんな事はもうどうでも良い。

ヒモに繋がれたままの7年間も、ムツコというお母さんと巡り会える為に辛抱していたかのようだ。

そう信じられる位、この3年余りは密度が濃く、幸せで、甘えん坊の生来の姿に戻れた。

写真を見るだけで、どれだけ安心して楽しんで幸せに暮らしていたかが手にとるように解かる。

ゴワゴワでボロボロだった毛は、光り輝くばかりに綺麗にふわふわになった。

憎しみに満ちていた表情は、穏やかな優しい顔に変化した。

目が見えない分、幸太はムツコの愛情を誰よりも敏感にキャッチ出来ていたのだろう。

ムツコにだけは馴れるのも早かった。そして最近では、来客に抱っこして貰おうと自分からアプローチするまでになったと言う。

2月24日、幸太永眠。

突然の事だけれど、とても穏やかな最期だった。

幸太は世界一幸せなまま、ムツコの手の中で眠った。

あと少しで11歳を迎えるはずだったけれど、本当はヒモに繋がれている間に死んでしまっていてもおかしくない状態だったのを良く知っている。

幸太は奇跡的に長生きしたよ。

もっともっとと望むのは勿論だけど、幸太は綺麗でカッコ良いまま逝ったね。お母ちゃんと幸太との二人三脚の賜物だね。

また会おう、幸太。

みんな一緒になろう。

※追記
これはムツコと相談した上で書いています。

写真も勿論、了解の上で使用致しました。

ムツコは転居したばかりなので、住所もメールアドレスも変更になっています。

暫く日記もメールもお休みしますので、幸太とムツコに対してお悔やみを言って下さる方は、私からまとめて転送させて戴きますので、>>こちら宛てに「こうたんへ」とメール下さい。

掲示板にお悔やみを書き込んで下さる方には、暫くムツコ自身が当方の掲示板をチェックしたり個別にレスはつけられないと思いますので、どうかご了承下さい。

そしてムツコから皆様へ伝えて欲しいと頼まれております。

「幸太は、本当にたくさんの方々から応援を戴き、助けて戴きました。有り難うございました。落ち着きましたら、改めて >>日記「こうたんの毎日」にてお礼と報告をさせて戴きたいと考えています」

尚、蛇足かも知れませんが、引っ越しのストレスが引き金になったとか、そういう原因による死ではなかった事を付け加えておきます。

誰よりも引っ越しをムツコと共に喜んでいたのは幸太でした。

新しい、そして終の棲家に移るのを待ちかねていた様子すらありました。

引っ越し後、新居で寛いで元気にしていた事も事実です。

ここまで頑張った幸太を、どうか褒めてやって下さい。

そしてかなりの苦労を承知で里親になってくれたムツコの事も、どうか褒めてやって下さい。

ムツコは私の娘のようなものです。

あんな大きな娘を産んだ覚えはないのですが、自慢の可愛い娘です。

これからも応援してやって下さい。