ジャム
もはや絶好調
Mar. 29, 2007 |
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2007年3月29日 木曜日
昨日と今日の暖かさ(と言うより暑さかな)のお陰で、桜が一気に咲いた。
昨日の段階ではまだ数輪だけしか蕾が開いていなかったのに、今朝、明るくなってから見ると、もはや三分咲きになっていた。 |
桜、朝は三分咲き
Mar. 29, 2007 |
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それがどうだろう、夕方になって見ると、たった半日の間に桜は八部咲き・・・満開間近になってしまっていた。
凄い、たった一日で手品のように咲いてしまった。
寒の戻りが意外と長くて、ずうっと我慢していたものが一気に噴出したのだろうか。
ずうっと待ち望んでいた間こそが希望であり楽しみであったのだが、いざこんなに一瞬で咲いてしまうと心が落ち着かない。
いつ散ってしまうのだろうとか、雨や強い風がありませんようにとか・・・これも毎年の心理なのだが。
子供の頃には特に有り難いとも待ち遠しいとも思わなかった「春」やその象徴であるかの「桜」・・・歳を重ね、人並みに苦労なんかもして、初めて心の底からしみじみと好きになるのだろう。
永く、日本人の心を象徴していると言われてきた桜だけれど、今の若者も歳をとったら春を待ち侘び、桜を儚くも愛しい心の支えと感じるようになるのかな。
それとも若い頃には何とも思わず、ただあくせく生きていた私が標準ではなかったのかな。
そんな事は無いよね。
半年振りでやっと、先週から予定していた映画のレイト・ショーに行く。
レイト・ショーが20時45分からなので、猫家事を早く終わらせなければならない。その為に、1週間以上掛けて少しずつ時間をずらして来た。その日だけご飯の時間が違ってしまう事で、体調に微妙な変化が出るといけない。
【パフューム】を観た。
それこそ意見や感想は色々とあるようだけど、私達はとても好きな映画だ。
18世紀のパリやグラースのセットも重厚だし、俳優の巧さも凝縮されている。ベルリン・フィルによる音楽も良い。
映画ってやっぱり総合芸術として最高に楽しい。
重厚とは言ったが、パリの魚市場の描き方だろうが、孤児院のシーンだろうが、皮なめしの現場だろうが、「これでもか」という位に汚い。映像は厚みがあって綺麗なのだが、汚いものがどっさり。
香水というものの必要性を産むのがパリの汚さと臭さだった訳だから、先ずは汚いものをどったり見せるのは必然なのだろうが、兎に角、絶望的に汚い。
魚の臓物と汚物で出来たぬかるみ、我が家の雑巾の方がずっと綺麗だと思えるようなボロボロで汚れた衣服、一度も身体を洗った事が無いかのような脂じみた皮膚、真っ黒な爪の垢・・・
勿論それは一般庶民や貧困層に関しての事であり、上流階級のうわべは清潔そうだ。ヒロインもちゃんと入浴していたっけ。ヒロインの父親は旅の宿でも、朝、ちゃんと洗顔していたね。偉いものだ。
内容は原作本が大ベストセラーであり、また映画自体もヒットしているらしいので、ここで触れる必要はないだろう。ラストの「二段落ち」なども、私にはこの際どうでも良い。小気味良いラストではあったけれど。
所詮は恐ろしいお伽話なのだから、ストーリーを云々して批判するのはどうかと思う。
それから付け加えておくと、「グロ」はたんまりあるけど、殺された娘たちが全裸で発見されたシーンや、クライマックスの全裸の群集のセックスシーンに「エロ」は全く感じ無い。それは必然であり、エロティックでは無い。
敢えて言うなら、匂いや香りというものにこそ「官能」が刺激され法悦状態となるのであって、裸や性行為そのものには大したエロティシズムは無い。むしろ芸術的過ぎて、前衛舞踏を観ているのと変わりない印象だった。
ダスティン・ホフマンは、やっぱり少しコミカルな役の方が向いているし、巧さが際立つと思う。
英国王立演劇アカデミーで学び、「ハムレット」の舞台でトム・ティクヴァ監督とプロデューサーのベルント・アイヒンガーの目に留まり主人公「グルヌイユ」に抜擢され、名優と称され続けて40年のダスティン・ホフマンに「10万人に一人の才能」とまで言わせたベン・ウィシャーの個性と演技は、やはり特筆すべきである。
あの痩せた体つき、目つき、口元・・・映画を観る前から「パンクだ・・・」と感じたのだが、実際に観終わっても「パンク」だと思う。こんな表現じゃ解かり難いだろうけど。
ローリング・ストーンズの映画【ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男】ではキース・リチャーズ役を演っているのだが、60年代末期のロック・ミュージシャンの破滅的で心身共に不健康な感じを演じさせたらまさにピッタリだと思う。
口元はヘンリーとジェーンの「フォンダ親子」に似ている。フォンダ一家だって、ピーターはパンクに近いし(ゴメンなさい、クズという意味とは少し違うのよ)。
今回の役は、素人の私が考えてもさぞかし難しかっただろうと思う。しかし表情から歩き方まで、それはそれは見事な役作りだ。
教育など受けた事の無い最下層に生きる奴隷に等しい(実際、金で売り買いされていた)人間で、過酷な環境と労働と飢えの中、辛うじて生き延びて来た、しかも嗅覚と香りを作り出す才能の他には全く表現手段を持たない類い希なる天才・・・科白は殆ど無いに等しい中で、個性が際立つ演技だ。
今後どんな俳優として軌跡を残すのだろう。
似ていると言えば、最初に殺してしまったプラム売りの赤毛の少女は、「マルシア」にそっくりだった。
それから贅沢な事に、ナレーションが名優ジョン・ハートである事もエンドロールで知った。
私の一番好きなジョン・ハートの役柄は、【エレファントマン】でも【エイリアン】でも【ミッドナイト・エキスプレス】のマックスでもなくて(どれもそれぞれに素晴らしかったけれど)、ライアン・オニールと共演した【パートナーズ】(1982年製作 日本では劇場未公開)でのホモ・セクシャルの警官役だな。
ああ、映画って圧倒的に楽しい。また行っちゃおう。
今回は劇場で高くて美味しくないものを買い食いするのをやめて、出掛ける直前に急いでご飯を炊き、おにぎりを作って持参した。
熱いお茶と冷たいお茶も。
美味しいお米と美味しい塩と、美味しい梅干しと美味しい海苔で作ったおにぎりって、感動的に美味しかった。
暫くは、映画館に行く時は、おにぎり持参だな。 |
おにぎり
Mar. 29, 2007
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