《CAT'S EYES & CAT'S HANDS》猫雑記
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ガラ

可愛い手足

Jul. 22, 2007
ガラ

2007年7月22日 日曜日

昨日、ちえちゃんちのウルが逝った。

ハンサムな貴公子だった。大好きだったよ、ウル。

右の写真は勿論、ちえちゃんの日記から失敬して来たものだ。ちょっと品の良い口元や目の表情が、亡きジーコ(左)と似ている。

さすが、「王子様」だけの事はあるね、ウル。



明け方にちえちゃんの日記を読んだら、色んな想いが洪水のように押し寄せて来た。

ひとしきり泣いて、生きている子供たちの世話に突入する。

どんな気分の時だろうと、やる事をやるしかない。

ちえちゃんもそうだ。子沢山でよかったね、お互い。

おなかを空かせている子供たちがいる限り、母親はそうそう泣いていられない。泣くのはやる事をやってから・・・寝る前に一人でひっそり泣くのだ。



ウルの回復を朝に晩に、毎日ご祈願していたこうちゃんと共にウルの魂にもう一度祈り、その後、どうした事かミュウの想い出を始めてしまった。

ジーコを育て、ジャムやマルコの子守をしてくれ、寛大でどっしりと落ち着き払い、「大王」としての貫禄もたっぷりのミュウだったけれど、あれで意外とイタズラが多かったのも事実だ。

それはもう、ジャムより誰よりイタズラをしたかも知れない。



電話機には徹底的にイタズラしてくれた。ミュウから私を取り上げるにっくき敵だったからね、電話機は。本当は電話機が悪い訳じゃないのに。

電話のコードは噛み心地を楽しむように噛んでいた。決して噛み切りはしない。寸止めを心得ていた。流石だったね、ミュウ。



受話器を手で親機本体から落とす。いつも受話器が外れている状態(相手からしたら通話中と同じ)になってしまっていた。やがてはガムテープで貼り付けたり、本体の上に棚を置いて防御した。

親機子機が無かった時代には、電話していると身体を電話機本体に乗せて電話を切ってしまう。解かってやっていたのか、ミュウ?

仔猫の時代には、留守中に電話気の上をさんざん歩き回ったらしく、偶然の産物ではあるのだが、短縮ダイヤルの登録を「上書き」してくれていた。

「*1」で掛かるはずの私の職場(当時、私は職業柄、在宅勤務が許されていたので、頻繁に会社に電話をしていたので一番に登録してあった)に短縮で電話をしたら、「はい、帝国ホテルでございます」と出た。勿論びっくりした。うちの仔猫は天才かと思ったけれど、そういう事ではなさそうだ。



そのうちPCが標的となり、デスクからマウスを落とす、8キロ超の巨体でディスプレイ(私は昔も今も、ずっとCRTのディスプレイを使っているので乗れるのだ)の上に飛び乗る。ディスプレイが壊れたのは、その衝撃が繰り返し与えられたせいかも知れない。

キイボードの上には勿論、キイを打つ私の手の上にも座り込む。大きくて柔らかいミュウは、キイボードを全て覆い尽くしてもまだはみ出していた。



ミュウは水を飲みたい時は、いつもシンクに入り込んで蛇口から水を飲みたたがったのだけれど、私が寝ている時にも音もなく黙ってシンクに入り込み、それを気づいてくれて当然と思っていた。

当然私は気づかないものだから、ミュウは待ちくたびれてシンク脇に伏せてあるコップをシンクの中に落とす。ゴトンという音で気づき、慌てて起き出してキッチンに行く。



午前4時には、何が何でも起こしに来る。あと1時間寝ていられる状況でも、ミュウはしつこく起こした。

口や鼻を舐めたり、顔を手でチョイチョイとするのだが、それでもじっと我慢して寝続けていると、やがて爪を出して唇や鼻の穴や下瞼を引っ掻いた。

爪切りしてあるのでそれ程痛くはないけれど、絶対に諦めずに繰り返すので、こちらが根負けした。「午前4時のオトコ」だった。



ワクチンを打った後、少し熱っぽくてだるいのに、私が連日残業で遅くなって帰宅すると、それまで寝ていたくせに、むっくりと起き上がり、私の顔を見ながらベッドでジャージャーとオシッコをした。

トイレの粗相の無い子だったけれど、わざわざそうやって抗議していた。「もっと早く帰って来てよ」そうだったね、ホントにごめん。あの当時に戻って、ミュウたちとの生活をやり直したいよ。



手紙を書いていると(昔は大変に筆まめだった)、文字を書き終えた部分を追いかけて掌でおさえる。文字が擦れたり滲んだりして、書き直す羽目になる。

文庫本には歯型が一杯。但しジャムと違って噛み千切りはしなかった。電話のコードと同じで、噛み心地を楽しんでいた。

ミシンを掛けていると(昔は色んなものを手作りしていた)、手を出して一緒に布を送ろうとするので危なくて仕方なかった。

シーツやワイシャツにアイロンを掛けていると(昔は本当にマメだったな)、一緒に掛けてくれようとするので危なくて仕方なかった。



8キロを超え、相当に重たくなってからでも、仔猫の頃に毎晩そうしていたように私の胸の上に乗って、前足で首の付け根を踏み踏みしてくれた。

肋骨は折れ、窒息するかと思った。



最期のとき、膝に抱くとオシッコをもらして、痙攣の後に逝ってしまった。何日も患わず、丸々太ってどっしりと重たいまま、あっけなく逝ってしまった私のミュウ。



葬儀屋さんに「大きな猫ちゃんですねえ・・・」と感心されたけね。大抵の場合、患って逝くので小さく痩せてしまうものだと、その時に知った。



こんなに一杯ミュウの事を思い出したのは、あの時から初めてだ。意図的に思い出さないように、考えないようにしていたから。



やっぱり思い出さなければ良かったな・・・もう遅いけど。



あちこちで闘病している全ての子たちも、今健康で跳ね回っているどんな子たちも、全ていつかは死ぬ。

私たち飼い主は、神様のもとに無事送り出すまでの間、その期間が長いか短いかの差こそあれ、大事に預かっているだけなのかも知れない。

猫たちは全て、天国に行くまでの間を、私達と過ごしてくれているだけなのかも知れない。





これは一応日記なのだが、その日にあった事を書かない日も多い。書きたくない気分で書かない事もあれば、差し障りがあって書けない事もある。

もう8年近く、勝手気侭に書いているくせに何を今更・・・だけど、そういう事をちょっと言ってみたい、今はそういう気分なのさ。

ガラ

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