猫雑記20091212

《CAT'S EYES & CAT'S HANDS》猫雑記

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カイル

まだ食べないのね

Dec. 12, 2009

2009年12月12日　土曜日

タマちゃんはまだ一口も食べない。

ベランダではあんなにたくさん食べたのに。太っているだけに、「肝リピドーシス」が怖い。

でも、触れもしない子に無理矢理食べさせる事など不可能だ。バリバリの野良を家に入れた時、いつだってこの問題に突き当たる。

オシッコは、退院後２度していた。

最初はとても大きなオシッコ玉で、２度目は普通の大きさだった。

目の前に大好きな缶詰を入れたお皿とシーバを置いてやるが、それでも身じろぎもしない。麻酔の醒めが悪いようで、いつもの顔と随分と違う。

そう言えば、マルコの去勢の時もそうだった。

午後になると、家猫のように身体を丸くして眠った。

やっぱり緊張が続いて疲れたのだろうか。麻酔の影響もあって調子が悪かったのかも知れない。

夕方、ようやくシーバを２～３粒食べた。

タマちゃんは、可愛い高い声で「にゃん、にゃん、にゃん、にゃん」と鳴く時がある。可愛い声ではあるものの、甘えている感じではなくて、もっと切羽詰った感じがする。

「助けて」「ここから出して」と聞こえてしまうが、ここは我慢のしどころだ。

みんなそういう道を通って家猫修行したのだ。

カワムラさんだって家に入れたばかりの数日間は、実は夜鳴きしていた。

ぶーちゃんもトムもとぼけた感じで「あ～う、あ～う」と鳴き続け、そしてマーゴも声が枯れるほど鳴き通して、そして数日で「ここで生きていくしかないのかな・・・」と諦めた様子だった。

みんな野良で長年生きていた猫ばかりなので、それは無理からぬ事だ。

だけど、みーちゃんは鳴かなかった。

みーちゃんが鳴くのは晩年、キッチンで猫たちのご飯の準備を始めた時、ドアの向こう側で「早く、早く」と催促する時だけだった。

ご飯の催促をする「女帝みーちゃん」の態度が可笑しくて、そして嬉しかった。

遂に私達に懐くこともなかったけれど、家猫になった事に対して無駄に抵抗もしなかった。いつも毅然と暮らしていたみーちゃん。

みーちゃんとカワムラさんは、その部屋の新入り猫たちの雰囲気を締めてくれていたし、実際誰も敵わなかったのだ。

ぶーちゃんにもそれ位の威厳があると良いのだけれど、それを望むのはちょっと無理かも知れない。

今、ぶーちゃん部屋のボスは、ジニーとシャインかな。

シャインが思いがけず、自分より後から入ったタマちゃんに興味津々で、張り付いて監視している。小柄で綺麗なメスに張り付かれて、タマちゃんは何を思うのだろう。

１匹増やす度に、今と同じ苦労をして来た。

でも本当に苦労しているのは、人間の思惑で自分の運命を変えられてしまう猫の方なのだ。

どう折り合いをつけて行くのか、何を諦め何を喜びとして行くのか・・・猫の一生は、限定された条件の中で精一杯の自由と自己主張をしなければならず、なかなかに困難だ。

私達飼い主は、そこのところを心して掛からなければならないだろう。

飢えないようにエサを与え、雨露寒さを凌げる場所を与え、手に負えない程に具合が悪ければ病院に連れて行く・・・それだけでは猫は幸せとは言えない。

人間の心が病む時と言うのは、大概が暇を持て余している時だ。或いは自分の努力不足を誤魔化して、精神病みに成りすましている時なのだ。

そんなものにいちいち付き合ってはいられない。

人間の場合は、自分で何とかして欲しい。

これだけの超多頭生活となると、人間との関わりは最低限度にして、猫たちの心が満たされるよう時間を使いたい。猫の心こそを大事にしたい。

その為には、時間と労力をどう配分して使うか・・・それだけでもかなり大変で、どうでも良い事に振り回されたくなど無い。

私も弱い駄目な人間だという自覚がある。

だけど、私は誰かを精神安定剤代わりにはしない。私は自分で自分の心を整理し、乗り越える。乗り越えられないものは、じっと持ち続けながら今の責務を果たす。

自分が恵まれている部分を知っているから、足りない部分を嘆かない。

猫たちだって、みんなそうしているじゃないか。どうして人間がそこから学べない事があるだろう。

夜更けに、タマちゃんは「セレクトプロテイン」をお皿に入れた２／３ほど食べた。

シーバも置いていた分は全て無くなっていた。

c/dのドライと缶詰フードは口をつけず・・・ベランダでは食べていたのに。

だけど明日の事は解らないから、やっぱりc/dも並べて置く事にするよ、タマちゃん。

家猫にも楽しみはあるよ、頑張ってそれを見つけてね。

私達も手伝うからね。

カイル

僕もそうだったけど

Dec. 12, 2009