猫雑記20101006

《CAT'S EYES & CAT'S HANDS》猫雑記

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ナム

ママはぐーたらなの？

Oct. 6, 2010

2010年10月6日　水曜日

秋晴れ。

車で出掛けて窓を開けて走っていると、町のあちこちで金木犀が香る。

一年のうちでほんの僅かな、冷房も暖房も要らない爽やかな季節。

その季節を彩る金木犀の香り。

これでちょっと数日雨が降り続いたりすると、あっと言う間にその小さな花は散ってしまう。

桜よりといい金木犀といい、穏やかな季節にほんの短い間その存在感を示す。どちらも散り際が潔くて儚い命だけれど、また次の年には立派に咲いて楽しませてくれる。

あと何度も何度も、そういう楽しみを享受したい。

こうちゃんと出会う前の時間よりも、共に生きる時間の方が長くなりたい。まだまだ永遠の別れをしたくない。

その為にも私は、今年からぐーたらぐーたらするのだ、治療の一環としてね。へへっ。

そりゃあナムはマメでしょうけどね・・・テトを追い掛けるのにね。

でも、ちょっとは手加減してやってね、弱虫なんだからテトは。

先日、シャーリー・マクレーンの映画をもう１本観たと書いた。

もう30年近く前の作品で【愛と追憶の日々　～Terms of Endearment～】・・・この映画にも、死と別れがまつわる。

原題：Terms of Endearment
邦題：愛と追憶の日々

製作：1983年

監督：ジェームズ・Ｌ・ブルックス

キャスト：デブラ・ウィンガー（Emma）
　　　　　シャーリー・マクレーン（Aurora）
　　　　　ジャック・ニコルソン（Garrett）
　　　　　ジェフ・ダニエルズ（Flap）
　　　　　ジョン・リスゴー（Sam）

この作品で娘役のデブラ・ウィンガーはアカデミー主演女優賞を獲り損ね、母親役のシャーリー・マクレーンが主演女優賞を獲得した。

邦題が似たり寄ったりのものが多くてイマイチなのだけれど、この作品の前年にデブラ・ウィンガーが出演してヒットした作品が【愛と青春の旅だち　～An Officer and a Gentleman～】だったし、シャーリー・マクレーンが７年前に出演した【愛と喝采の日々　～The Turning Point ～】も大ヒットしているので、配給会社はつい「愛と▲●の■★」というタイトルにしてしまうのか知れない。

出演者の関連は無いけれど、【愛と哀しみのボレロ　～Les Uns et Les Autres～】というのもあった。

これでは西部劇のタイトルに「荒野の■★」というのが多いのと同じだな。

ともあれ、何て事のない映画だと思って観ているうちに、夫に浮気をされた娘にガンが発見されて、あれよあれよ・・・と言う間に悪化して死んでしまう。

その入院中の娘に付き添う母親シャーリー・マクレーンの演技が良い。

強く、優しく、コミカルでもあり、娘を先立たせる母親の気持ちが切ない。

親友同士のような関係の母と娘。娘（デブラ）は母（シャーリー）に反対されて押し切った結婚で、母の予想通り貧乏生活を余儀なくされる日々だった。挙句の果てに夫には浮気をされ、悪性腫瘍が見つかるという成り行き。
隣に越して来たギャレット（ニコルソン）は女好きで、彼の最大の武器は「宇宙飛行士」であった事だ。反発し合いながらも、次第にイイ仲になる二人。それが出会いから15年目の事なのだ。
死を間際に感じて、二人の息子に最後の面会をする母親。まだ幼く素直な次男は悲しみで一杯なのだが、長男はどうしても現実を受け入れられず、素直になれず終いだ。母親もそんな息子を理解していて、綺麗事を言わない。
娘に鎮痛剤を直ぐに打てと、看護婦に迫る母親のシャーリー・マクレーン。「娘が苦しんでいるのよ！」とまくしたてる。ヒステリックにならず、コミカルな印象を与えるところが真骨頂だろう。

シャーリー・マクレーンとジャック・ニコルソンの恋も時間を掛けて成就して行くのだが、皮肉屋で毒のある男の役に流石ジャック・ニコルソンは適役だ。

そんな彼が、母親を失ったばかりの息子（素直に母親との別れが出来なかった長男）に掛ける言葉の中にさりげない優しさを感じさせ、ラストに温かい気持ちにさせてくれる。

全く期待せずに観た映画だったのに、感動的で心に残る作品になった。

歳をとり自分も病気になってみると、こういう物語や登場人物が、じんわりと心にしみるのかも知れない。

妹にも観るよう勧めておいた。

ナム

アタシはマメよ

Oct. 6, 2010