ルス
アタシにも
妹がいるけどね
May. 1, 2011 |
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2011年5月1日 日曜日
昨日、大鍋にたっぷりと白菜や鶏肉、白滝、えのき、葱など入れたまるで冬の鍋物のようなスープを作ったので、今朝も残りを食べる。
白菜がとろけるように柔らかくなっていて美味しい。
もっと春らしいメニューにしなくちゃ・・・と思うのだけれど、それが思いつかない。
何を使えば春らしくなるんだろう。
去年の今頃は何を食べていたんだろう。
思い出せない。
昨日が通夜、そして今日は葬儀。
喪主である妹が一切を立派に取り仕切ってくれている。
忙しいと思うから邪魔にならないようにと思いつつも、ついつい気になって妹に電話を入れてしまう。
気になるのは通夜や葬儀の事では無くて(ママ、ごめん)、妹の事なのだけれど。
妹の友達が、葬儀の風景の写真をたくさんメールに添付して送ってくれた。
祭壇の様子、生き残っている親戚の懐かしい顔、そして妹の疲れた顔。
そこに居ない事への自責の念はあるけれど、そもそも私は父や母には生前から言っていたのだ。
私は葬式には出ない、葬式なんかしないでよ・・・と。
それもあって、車を買い換える際には「軽」にしてしまったのだ。もう高速を走る事もないだろう・・・と。
しかし母の交友関係は広いし、妹の仕事の関係の人も多い。
報せた人は全員来てくれたと言う。
田舎では葬式をしないような事は、常識から外れた事なのだ。
私が常識から逸脱した生き方をしている事と、私の読みが甘かった事を思い知る。
小さくて可愛かった妹が、今では立派な大人として振舞っている。
私の知らないところで妹は経験も積み、常識も愛情も豊かな美しい女性へと成長していた。美しいと言ったってもう50だけど、私は今でも言われる。
「妹さん、お綺麗ですね」と。
ふん。まあまあかな。
母のお気に入りだしね。
妹に足りないのは伴侶だけだ。
多少ボーッとしていてもハゲでもデブでも良いから、妹に亭主がいてくれたらなあ・・・としみじみ思う。
しかし妹にしてみれば、余計なお世話にも程があるだろう。
妹は自分が長身なのでチビは厭だろうし、母に似て口八丁手八丁だからボーッとして気の利かない男もきっと嫌いに違いない。
勝手に相手のレベルを下げて欲しくないと怒るだろうな。
でもね、誠実で優しくて妹の事だけ大切にしてくれる人だったら、私はそれだけで幸せだと思う。
妹だって今後老いていくのに、一人で暮らさないで欲しいのだ。
それに男はちょっとボーッとした位が丁度良いのかも知れない。
しかし、そこでまた妹は言うに違いない。
お姉ちゃん、自分は誠実で優しくて気が利いて背が高くてハンサムなこうちゃんと一緒になっておきながら、なんで私にはチビのマヌケでも良いと言うのよ・・・と。
それはそうだ。
妹は相手に求めるものが多過ぎた結果、独身で居る訳ではないのだ。
ともあれ、妹は父が長く患って居たころから母を助け、父の葬儀も母の葬儀もその他の行事も、全て立派な大人としてやり遂げてくれている。
いつの間に、そんなにも大人になってしまったんだろう。
もしかしたら、私なんかとっくに追い越されてしまっているのかも知れない。
身長だってとっくの昔に追い越されたのと同じように。
但し、結婚の回数だけは姉が圧倒的に上回る。
何たって妹はゼロ、姉は3回だからな。
自慢にはならないけど。
妹は3月28日生まれだから、学年でも多分一番遅い誕生日だったんじゃないかな。
小学校に上がる頃は、同級生の誰と比べても小さくて、私の記憶の中の妹はいつだってネズミみたいに小さかった。
子供の頃の私は、同学年の子と比べても背も高くて言う事も大人びた「可愛くない」子供だったけど、妹はいつまでも赤ちゃんのようで頼りなく、顔も言う事も愛らしく、そして実際、誰からも愛される子供だった。
これは生後数カ月の妹を抱く母と、3歳位の私。
1歳位の妹と私 |
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妹が誰からも愛される子(もう50だけど)のは今も変わらないのかも知れない。
頼りになる友達が何人も居て、今回も妹を支えてくれている。
妹を一人にしないよう、昼夜交代で妹の傍に詰めてくれている友人たち・・・それがどれ程に自分の生活を犠牲にしなければ出来ない事か容易に想像がつく。
妹に温かいものを食べさせようと手作りの食事を届けてくれたという会社の先輩は、妹が半年間のインターフェロン治療をした際にも、毎週手作りのお菓子を届けてくれた人だという。
私が「どうか妹を宜しくお願いします」と妹の友人に頭を下げると、その友人の親の葬儀の時にも(妹が)同じ事をしてくれたんですよ・・・と言ってくれた。
妹は言った。
「ね、解ったでしょ?私は大丈夫だから、安心して早く横浜に帰って」
妹が素晴らしい交友関係を持つ事は良く解ったし、その事では安心もした。
でもね、この先はまだ長いのだ。
こうちゃんがいてくれる私でさえ、日に何度もふとした事で心が激しく乱れる。
母が死んだ事実が、土石流のように私を飲み込もうとする。
いや、その時はもう飲み込まれてしまっているのだ。
しかしまたムクムクとその中から這い出して、何度でも甦る。
2〜3分もすればまた泣きやんで、鼻をかんでは自分の仕事に戻る。
猫たちを放ってはおけないし、収入も得なければならない。
毎日3食自分たちのご飯も食べ、掃除をし、気晴らしに食材の買い物に出る。
そしてまた、ふとした拍子に土石流が襲って来る。
愛する者を失った人は皆、そんな繰り返しの中で生きて行く事を知っているだろう。
それが人間だろうが猫だろうが・・・。
きっと妹は、いつの間にか私よりも強い大人へと成長したのだ。
だから信じていよう。
どんなに悲しい時でも、どんなに虚しい時でも、兎に角、逞しく生きてくれる事を。
姉もしっかり生きるよ。
パパとママがくれた命、人生なんだものね。
うちの姉妹猫ルスとリマも、一見すると姉のルスの方が圧倒的に強いのだが、どんな猫でも受け入れてあっと言う間に虜にしてしまうリマの方が、もしかすると強いのかも知れない。
ルスがみんなにこっそり・・・という感じで甘えに来ると、愛しくて仕方ない。
いつもマイペースで凛々しく振舞って居ても、拠り所が欲しいんだよね。ルスは孤高だもんね。 |
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ルス
それぞれ性格は
違うのよ
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ルス
それでいいのよ
May. 1, 2011 |
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