2011年 《CAT'S EYES & CAT'S HANDS》 猫雑記
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ルス

繊細で綺麗って

May. 10, 2011
ルス
2011年5月10日 火曜日

私の受診日で井田病院へ。

今日はいつものように6時台には家を出ず、7時15分頃出てみた。

到着は総合受付開始になる7時半の5分前。

既に20人くらい先に並んでいたけれど、受付を済ませると出て来る受診票を持ってこうちゃんが血液検査の受付箱に走ってくれたので、検査は10人目位で出来た。





しかし、兎に角お年寄りが多いので、血液採取が終わっても荷物を持って去るまでの時間が長い。

そんな事、先ずは椅子を立ち上がって別の場所でやれば良いのに・・・と思うような事を、検査用のデスクの前でいつまでもやっている。



これが歳をとるという事なのか。





そう言えば病院の後で立ち寄った郵便局のATMでも、機械の操作が終わってからもゆっくりとキャッシュカードやら通帳やらをバッグに入れ、現金を財布に収め、その財布をまたバッグに入れ終わるまで機械の前から立ち去ってくれないオバサンやお年寄りが多い。

そんな事、とりあえず機械の前を離れて次の人に明け渡してから局内のどこかでやれば良いのに・・・と思いながら、後ろで待っている私は見ている。



私はいつだってそうしている。

だって私の後ろの人が苛々して待っているんじゃないかと思うと、とてもぐずぐずしていられない。

出て来た現金をひっつかみ、通帳やカードと共にしっかり持って、ATMの前を逃げるように立ち去る。

そして銀行の隅っこでまとめてバッグに入れてしまう。後で落ち着いてから、ゆっくり、しかるべき収納場所へと分別すれば良いのだ。

待つのも嫌いだけど、待たせるのも嫌いなんだ。




だけどお年寄りには優しい気持ちでいたいという想いもある。

母も最近は、動作がゆっくりになって来たと妹に聞いていた。

あんなに行動が素早くて、何でもかんでも手際良くやってのけていた母でも、78歳ともなるとそうなるんだな・・・としみじみと思った。

私とたまに会った時には、横断歩道を小走りで渡ったりして私よりずっと足は達者だと思ったものだが、それでも久し振りに会う度、母はお婆さんになっていた。

衰えてきている母が、出先で若い人に優しい気持ちで接して貰えたら嬉しい・・・と思うと、私も見ず知らずのお年寄りには優しい気持ちで接したいと思うようになった。

それまでだって見かけ上は優しく親切に接していたけれど、心の中では「しょーがないなあ・・・」と思う事もあったのだ。





母は死んでしまったけれど、行きずりの老人には優しい気持ちでありたいと改めて思う。

そろそろこちらも老境に入って行くのだが・・・。






優しさは、真心から出て来るものじゃなければダメなのだと思う。

笑顔だって、作り笑いじゃダメ。

心から微笑まなくては、人の心には伝わらない。



人の心は小手先の技術では誤魔化せない。

形式だけ、うわべだけ取り繕っても、そんなメッキは直ぐに剥がれる。




今日の私の検査結果は、ちょっと後退。

気が緩んだり、疲れが溜まったりしていたからだろうか。



また再出発だ。



頑張るよ、まだまだ私のお役目は終わりそうもないから。

まだまだひとつ事を成し終えていないのだから、お迎えには来てくれないだろう、ミュウもカワムラさんも。




夜、【BSプレミアム シリーズ「知られざる在外秘宝」】という番組を見る。

4月に放映されたものの再放送だと思うが、このシリーズは何度見ても面白い。

今夜の(再放送の)内容は、「スペイン 修道院を飾る桃山の蒔絵」というものだった。



日本の「漆」がどれ程ヨーロッパでその美しさを称えられ、宝石よりも価値のあるものとしてコレクションされたり、漆の採れないヨーロッパで漆に憧れる余り、何とか漆に近い塗料を開発出来ないかと300年もの間苦労と努力を重ねたかなど、日本人としてはちょっと誇らしい内容だった。

マリー・アントワネットがオーストリアの母・女帝マリア・テレジアから受け継いで大切に愛しみ、革命で自らが捕えられる直前に美術商に託した蒔絵コレクションは、その翌年には国に寄贈され、ルーブル等に今もその美しさを損なう事無く残っている話など、とても興味深かった。



しかし一番面白いと感じたのは、漆に代わる塗料としてイギリスで開発された黒いラッカーの話だ。

何とか漆塗りの、あの深い艶を持つ黒を再現出来ないかと苦心した挙句、「ラックカイガラムシ」という昆虫の分泌する樹脂のような物質の塊を砕き、アルコールで抽出したものに煤などで黒い色を付けたもので代用したというのだ。

それは日本の蒔絵への憧憬であり、その技法は「ジャパニング」と呼ばれた。

この事からも、如何に当時の西洋人が日本の漆に憧れ、魅了され、価値を認めていたかが解る。



「ラックカイガラムシ」の分泌する樹脂状物質から出来たものを「シェラック」というのだという事を、この番組で初めて知った。

ここでは「ラッカー」と同義に使われていたようだが、厳密に言うと「シェラック」と「ラッカー」とでは違うものらしい。

しかし、当時いずれも「ラックカイガラムシ」が原料であったという事、そしてその目的は唯一つ・・・漆の黒を漆が入手できない彼の地で再現するという事であった訳だ。






面白いと感じたのは、番組の内容とは全く関係の無い別の理由がある。

実は「シェラック」という物質が存在する事など、今日の今日まで知らなかった。スミマセン、無知で。

だけど「シェラック」という単語は耳にしていた。それもかなり昔に。



それは大島弓子の漫画の中だった。

何というタイトルの漫画かは忘れたけれど、物語の中で「ラッカー行進曲」という歌が出て来る。

「シェラック ラックラッカ」だか「シェラック ラッカラッカ」だか、兎に角、「シェラック」と「ラッカー」が並んで歌詞に登場する。

なのに私は、何の疑問も持たなかったのだ。「シェラック」とは何だろう?と。



歌詞の中の「アーサー・ラッカム」は当然知っていたけれど、「シェラック」は露ほども知らなかった。

それどころか、意味がある単語として受け取っていなかったのだ。

だから何か意味のある言葉としてではなく、恥ずかしい事に「タラッタラッタラッタ」とか「シャバダバダ」とか、そういう類の擬音というか、意味の無いスキャットのようなものとして何も考えずに受け流していた。





しかし今日、その謎が解けた。

いや、謎だとすら思っていなかったのだから、積年の無知・無教養を自覚したと言うべきだろう。



カズエちゃん、もう直ぐ54歳。

随分と長く、自分が如何に教養が無いかを自覚せずに済ませて来たものだ。





試しに、こうちゃんに「シェラックって知ってる?」と聞いてみたところ、「知ってるよ」とあっさり言われた。

「それって、こうちゃんがタガネなんかも知ってるのと同じ次元の事?」と聞いてみたら、「そうかもね」と言う。



私は「タガネ」も知らなかったのだ。

「タガメ」は知っていたけれど。



これもまた近年になってから、やはりテレビで見て知ったに過ぎないのだが、「タガメ」という生き物の存在を知った時には驚いた。

日本最大の水生昆虫、タガメ。

獰猛で魚やカエルまで食べてしまう映像を見た時には、いささかショックだった。



いや、話はタガメではなかった。

また際限なく脱線して行くところだった。




こうちゃんは、工作少年だったので、「タガネ」も「シェラック」も知っていたのだろう。何たって「タガネ」でコツコツと金属板をくり抜き、手裏剣を作ったらしいから。

普通、女の子は知らないよね、「タガネ」も「シェラック」も。

「ノコギリ」とか「ニス」位は知っているけど。







あの漫画を読んだのは、多分大学生の時だ。

妹の蔵書を借りて読んだのだ。

だから手元に無くてタイトルの確認も出来ない。




妹も凝り性で、大島弓子が好きだと思えば作品の全部を買い集めるし、一旦アーサー・ラッカムの絵が気に入れば、画集も集めていた。





【不思議の国のアリス】の挿絵としては、アーサー・ラッカムのものよりジョン・テニエルの挿絵の方が有名かも知れないが、テニエルの絵では何しろアリスが可愛くない。

日本では、アリスを繊細に綺麗に描いているラッカムの方を好む人も多いだろう。





私はと言えば・・・実はアリスそのものが好きではなかった。

私は、テニエル描くところの、あの憎たらしい顔の「ハンプティ・ダンプティ」が好きだった。



それにも理由があるのだが、もういい加減、長くなり過ぎたので、また後日にでも・・・。
ルス

アタシの事かしら?

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ルス
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ちょっとデブだけど〜

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