《CAT'S EYES & CAT'S HANDS》猫の為の情報
脱走した猫を保護した後の注意点

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無事保護出来たから、もう安心?それは甘いです。

脱走している間にさらされる危険と、保護してからのケア次第で起きる問題を整理してみます。

1.避妊していないメス猫の場合、必ず交尾しています
そもそも避妊しておらず発情したメス猫は、脱走する可能性がとても高いものです。

そんなメス猫が30分でも外に出てしまった場合には、必ず交尾していると思っても過言ではありません。それで妊娠してしまった飼い猫を何匹も知っています。
2.交尾や喧嘩で、エイズや白血病の感染の危険があります
これは言うまでも無いでしょう。そういうリスクを避ける為にも、完全室内飼いと脱走防止をお奨めしている訳です。
3.真冬を除いて、ノミやシラミの感染があります
ノミが卵で越冬している寒い季節を除いて、外に出てしまった場合には、きちんとノミ駆除をした方が良いでしょう。
4.長期間の脱走は、先ず脱水の危険を考えて下さい
外に居る間、飲まず食わずでいる事もあり得ます。

単に体重が減ったという事ではなく、脱水して体にとって危険な状態である事も充分考えられますので、先ずは動物病院で診て戴き、それほど脱水していないようでも、補液から始めた方が無難です。

脱水が体に及ぼす悪影響は、目には見えません。しかし手遅れになる前に、ご飯より先に先ず補液・・・そう思っていて間違いありません。

数多くの、状態の悪い野良猫を保護して来た経験上、飢えていた猫には脱水が必ずありました。水を飲ませた程度では改善されませんので、最低でも1度は補液して戴いて下さい。
5.食べていない事の危険は大きいのです
外に居る間、食餌が全く出来ていなかったとしたら、それは単にお腹が空いたり体重が減ったりするだけでなく、臓器に深刻なダメージを与えます。

全く食べない状態が続いた場合、肝リピドーシスが起きるまでの時間は、48時間までというデータがあるそうです。

太った(脂肪の多い)猫の場合、特に起き易いので頭に入れておいて下さい。
6.保護した後、一気に食べる事の危険もあります
脱走して飢餓状態が続き、やっと保護され一気に大量に食べて栄養を摂った場合、急激に毒素が高まって死に至った猫もいます。

また、一気に栄養を入れてしまった為に、一気に毒素が高まってこん睡状態に陥った保護猫もたくさん知っています。

そうでなくても、健康な普通の飼い猫でも回数を少なく一気にたくさん食べる事は、同じ理由からお奨め出来ません。



脱走とは関係ありませんが、食欲廃絶状態の猫に強制給餌する場合にも、一度に大量に入れると肝機能の数値がグッと悪くなり、少量ずつ回数を多く与える事を勧められます。



このアドバイスが信じられなかったら、信頼出来る獣医師に是非ご相談なさってみて下さい。

猫の食餌と健康について詳しい獣医師ならば、同じ事を言うはずです。

どんどん食べさせて、また太らせれば大丈夫・・・などと呑気な事を言う獣医がいたら、その方が私には信じ難い事実です。
7.先ずシャンプーなんかしてはダメ
外に出ていた為に体が汚れていたとしても、先ず洗う・・・などという発想は人間の都合優先であって、猫にとっては迷惑で、ストレスで免疫を落とす原因となりかねないものです。

寒い季節であれば風邪をひかせることにもなりますし、洗われる事で感じるストレスが身体に与える悪影響も考えてみて下さい。ストレスが免疫を落とす事は既に医学的にも証明されているのです。

汚れていたら蒸しタオルで丁寧に拭いてやり、ノミや寄生虫の心配がなくなるまでは、他の猫との接触をさせない工夫が必要かと思います。

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