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《CAT'S EYES & CAT'S HANDS》猫の為の情報
不妊手術や去勢のタイミングと、何故避妊が必要なのかについて

不妊・去勢手術のタイミング
猫を飼い始めて、初年度に行う大事な通過儀礼です。オスとメスとでは、若干タイミングが違うと思います。人それぞれ意見は異なるでしょうが、経験から得た私の信ずるところを書いておきます。

但しここはあくまでも初心者の為の手引きですので、病気との因果関係などのもっと詳しい内容が知りたい場合は、然るべき書物やウェブサイトでお調べ下さい。

女の子の場合

メスには発情期というものがあります。発情のサインは以下のような感じです。
1.身体をグネグネと床に擦り付ける。
2.腰を落として歩く
3.背中のお尻近くを触るとお尻を高く上げる
4.いつもとは全然違う「ワ〜オ」とか「ナ〜ゴ」という感じの鳴き声を上げる。
5.陰部の匂いが強くなる子もいます。
6.やたらと陰部を舐める子もいます。

こういった兆候を見せる発情が1週間から10日ほど続いては治まり、妊娠するまで繰り返されます。但し、そういう際立ったサインが見られずに静かに発情している子もいますが、注意深く観察していれば必ず解ります。

初めての発情が来る凡その目安は、生後6ヶ月、または体重3キロと言いますが、実際には生後4ヶ月で妊娠するメス猫も決して珍しくありませんし、成長しきっても2キロ台という小柄な女の子もいますので、その子の状態と体力とを充分考慮して、獣医師とも相談の上手術に踏み切って下さい。

発情を契機に、ホルモンのバランスが変わるせいなのかマーキングのオシッコなどの問題が出るケースが多く報告されていますし、発情は大きなストレスです。女の子の場合は、成長段階で体力的に可能になったら直ぐに避妊するのが望ましいと思います。

発情中の猫はとてもうるさくて堪らないと言う飼い主もいますが、最初の発情は長くとも1週間ほどで終わりますので、その後手術するのが望ましいかと思います。しかし発情中でも妊娠中でも手術は可能です。これも信頼できる獣医師との相談の上、タイミングを決めて下さい。




男の子の場合

勘違いしている方が多いようですが、オスには発情期というものはありません。

オスは生殖可能なまでに成長すると、発情しているメスの匂いに刺激されて発情します。従って、一年中いつでも交尾・生殖可能です。生殖能力が出来る大体の目安としては、生後8〜10ヶ月位でしょうが、これにも勿論例外はあります。

身体が成猫にまで成長してから去勢する方が尿路疾患になり難いと言いますが、科学的根拠はないようです。むしろ食生活が泌尿器系の病気には一番影響を及ぼすと、現在では言われています。

オス猫も、発情するとかなり臭いオシッコでマーキングするケースが多いようです。オスだから子供を産む訳ではないので去勢なんかしなくていい・・・と思う人でも、このオシッコには頭を抱えるはずです。しかし去勢の時期と、トイレ以外でのオシッコの問題とはまた別でしょう。


●何故避妊が必要なのか
家から一歩も出さないから避妊の必要はないとか、自然のままが一番なのだとか、避妊は飼い主の都合だけ考えた「人間のエゴ」だと言う人たちがいます。人の考え方は様々ですが、果たして本当に飼い主のエゴなのでしょうか?

発情は大いなるストレスです
発情とは、生殖行為へのもの凄い衝動です。それは人間の性衝動などとは比べ物にならないはずです。しかし明確な発情などないとされている人間ですら、成就しない性衝動が続けば、それはストレスでしょうね。ましてや限られた時期に発情して繁殖しようとする猫の本能は、見ていればもの凄いものだという事は簡単に察しがつくはずです。

ストレスが免疫力を落とす事はよく知られています。またストレスが引き金でFIPやエイズが発症し易くなる事とも言われていますね。あるいはストレスで抵抗力を落として感染症になったりしたら可哀想でしょう?自分の愛する猫が、ストレスで苦しんでいても平気ですか?

発情は脱走の一番の要因なのです
発情の強い衝動は、一時的に猫の性格を変えます。何が何でも外に出て、異性と交わろうとします。網戸を破って出てしまう位の事は朝飯前。知人のところでは、ロックされていた2階の窓のサッシまではずして脱走しました(信じられないでしょうが事実です)。あちこちの報告を聞くと、脱走したメス猫の殆ど全てが避妊手術前で発情のシーズンでした。

脱走して交尾したら、間違いなく妊娠します。猫の交尾は一瞬です。妊娠するだけではなく、病気も感染して戻って来たら、避妊反対なあなたはどうするつもりなのですか?お腹が大きくなったので捨てる人もいますね。それはれっきとした犯罪です。

産ませて飼えるのですか?
今回だけは産ませて、子育てが終わったら避妊します・・・と言っていた里親募集の募集主が、避妊しようと思っていた矢先にまた脱走して妊娠してしまいました・・・というケースがありました。猫に罪はありません。全ては飼い主が無知で無責任な為に起きた事です。こんな事は、全国で始終起きている人災でしょう。

里親募集すれば良いと思っているならば、本当に悲惨な境遇の猫の里親さんを奪う事に繋がるのだという事を知って下さい。いずれも大切な尊い命です。しかし未然に防げる妊娠・出産は、飼い主の努力で防いで下さい。堕胎もやむなし。自分で全て飼いますと言える場合でも、そんな余裕があるのであれば家のない仔猫を引き取ってあげて下さい。

また、里親さんのところで確実に適切な時期に避妊され、一代限りと出来るかどうかは判らないのです。過ちから産ませてしまった人がいるという事は、里親さんだって過ちを犯す可能性はあるのです。里子に出る前に、兄妹同士で妊娠してしまう事だってあるんですよ。

ましてや、産んだら捨てれば良い・・・などというのは最低の人間です。僅かな避妊費用をケチって自然なままに任せるというのは、猫を愛する者の飼い方ではありません。田舎だろうが年配者だろうが、古くからのやり方が間違いだと知ったら、改めて下さい。

交尾は病気が感染する危険を爆発的に増大させます
白血病やエイズは交尾で感染します。他にも怖い感染症はたくさんあり、発情して脱走している間に空気感染・飛沫感染するような、死に至る病気を貰う確率も高いのです。防げる病気を防いであげるのも、飼い主の責任なのです。

あなたの可愛い猫がこういった危険の数々にさらされない為にも、そしてこれ以上可哀想な猫を増やさない為にも、避妊は最低限のルールなのだと肝に銘じて下さい。

※以上、とりあえずまとめましたが、他にも付け加えるべき事柄があるかも知れませんので、随時更新する予定です。
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