《CAT'S EYES & CAT'S HANDS》.
ネコ白血病ウイルス感染症(FeLV)

1. 白血病についての基礎知識

【ウイルス】
白血病ウイルス感染症は、白血病やリンパ系の腫瘍、免疫不全などを筆頭に、全身性の様々な症状を示す伝染病です。このウイルスは現在世界中の猫から確認されていて、猫免疫不全症候群(猫エイズ)ウイルスに似ていて、感染することにより他の単純な疾患をより複雑に、治りにくくします。つまり他のすべての病気に対する抵抗力を弱めてしまう恐ろしい病気です。

しかしウイルス自体はレトロウイルス(註1)と呼ばれ、人間のエイズウイルスと同様、直接体液や血液に触れない限り感染しないもので、さほど感染力の強いものではありません。英語名の頭文字をとってFeLVとも呼ばれます。

註1. レトロウイルスは、逆転移酵素を持つウイルスという意味で異色な生物です。普通、遺伝情報は細胞の核内のDNAから転移酵素の働きでRNAへ転写しますが、レトロウイルスはRNAウイルスともいわれ、自分の遺伝情報を逆転移酵素の働きで、ネコの細胞のDNAへ転写して増殖します。つまりネコの細胞の中で生き続け、ネコが弱った時に増殖するというやっかいものです。







【感染】
感染すると、感染したウイルスの量やネコの状態から、以下の3種類の反応が起ります。

@40%のネコは抗体を作り免疫状態となり、新たな感染を防御出来ます。
A30%のネコは骨髄細胞内にウイルスが潜み、キャリアという状態になりますが、そのうち40%はウイルスを排除し免疫状態になります。キャリアの50%はそのままウイルスを持ち、排出し続けますが、残りの10%はネコの抵抗力が低下するとウイルスは増殖して発病します。
Bウイルスを防御出来なかった30%のネコは、ウイルスの増殖を抑える事が出来ず、ウイルスを排出しながらやがて症状が現れ、発病すると80%は3年以内に死亡します。

【症状】
感染初期の症状は発熱やリンパ節の腫大、下痢、腎炎などですが、その後、腫瘍ウイルスなので20パーセントはリンパ系腫瘍になります。骨髄に対しても制御が強く、貧血や白血球減少が見られ、再生不良性貧血で死亡する事もあります。症状は多様です。

【検査とワクチン】
検査は血液の中の抗原を調べます。もし陽性ならば、現在ウイルスを持っているという事です。抗体の検査は研究レベルでしか行なわれていませんが、成猫の半数以上に抗体が検出されている事から、猫の大部分は一度Felvウイルスに感染すると思って良いと言われています。

Felvはワクチンがあります。しかしキャリアの子にワクチンを接種する事で症状の悪化につながる心配も考えられるので、ワクチンは検査をしてから行なう場合が殆どです。ワクチンを接種すれば完全に感染が防げるというものでないのは、他のワクチンと同様です。あくまでも抗体を高めておく為の予防措置と考えてください。

2. 白血病のネコを飼っている人達の体験とメッセージ

  case 1:モモちゃんの飼い主・あけみさんより

  case 2:チャチャちゃんの飼い主・ansanさんより

  case 3:みゆきさんより


  case 4:モモちゃんの飼い主(グリコちゃんの保護主)・純子さんより

  case 5:ちょこちゃんの場合(リンク) New

  case 6:くろちゃんの飼い主・満津子さんより New


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