アイン
グルーミング
Jun. 15, 2004 |
|
2004年6月15日 火曜日
夢を見た。私が生まれてから小学校を卒業する迄の間、わずか12年間住んでいた古い家の台所に居る。いつまでも記憶に残るものなんだな、生まれた家なんて。ともあれ、私は台所に立ち、窓の外に向かって網戸越しに煙草の煙を吐いていた。外は雨で暗かった。
一緒に居たのは、実父と私が17歳位の時に亡くなった祖父、そしてイトコの4人だった。全員が煙草を吸っている。これでは台所が煙たくなってしまう。換気扇のフィルタを替えたばかりなのに・・・そんな事を考えていると、ふと思い出した。そうだ、野良猫にエサをやらなくちゃ。慌てて勝手口から出て、雨の中を待っていた茶トラの猫に缶詰を開けてやる。そしてふと、勝手口に面した路地の向こうを見ると、仔猫が一杯いるではないか。
仔猫は全部で10匹ほど居た。全てが兄妹ではなさそうだ。少しずつ月齢が違うような気がする。しかし一様に濡れそぼっており、身体が冷えている。これは放ってはおけない。1匹ずつ素手で捕まえ、身体を拭いてやりながら家の中に入れる。すると勝手口に母親が立っていた。私は「必ず里子に出せるから、それまで家に置かせて」と頼んでいる。母親は怖い顔をして少し考えた後、「いいよ」と答えた。
私は買ったばかりのブラックケージを次々と開けて、仔猫を入れて行く。この月齢では、まだ授乳が必要だろうな・・・と考えている。どうしたものか、よし、車にケージを乗せたままにして、職場に連れて行って、2時間おきに授乳しよう・・・等と頭の中でシミュレーションしている。
親元に居た頃、私は猫の事など考えた事もなかった。野良猫というものの存在も、現実的には知らなかったかも知れない。成人する迄は煙草も吸った事がなかった。父親が台所にいる姿も見た事がない(それどころか、家に居る事自体が珍しい位のモーレツサラリーマンだった)。ブラックケージは実際に、最近次々と買った。2時間おきに飲ませているのは、仔猫にではなくてアインとジーコにだ。
現実と非現実が入り混じり、何だか疲れる切ない夢だった。しかし夢の中の私は、仔猫を放置しないでくれて良かった。逃げないでくれて良かった。後味の悪い夢にならず、意識下でもちゃんと猫を守ろうとしてくれたような気がして安心した。夢は自分のものなのに、なかなか自分の思い通りにならないからな。
アイン
グルーミングの続き
Jun. 15, 2004 |
|
|