《CAT'S EYES & CAT'S HANDS》猫雑記
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2005年6月25日 土曜日

予告通り、みみクンの仲間の白血病キャリアで全盲のカンちゃんが今朝一番のヒコーキで大阪からやって来た。

到着は08:20。

受け取りはそれより少し後になるだろうけど、7時半には家を出るつもりで準備していた。



いつもだったら起きている時間なのに、寝たのが4時だった。

完徹で暑い日に出掛けるのはきついだろうと思って一応は寝たのだが、1時間半だけ眠ったら起きて、人間の朝食の支度をする。

その間にこうちゃんが猫たちの朝食の世話をしてくれる。二人いるから助かるよ。こうちゃんがいなかったら、徹夜で出掛けるハメになったところだよ。



朝食はサンドイッチにした。

バターと練り辛子を練る。バターが硬くて、腱鞘炎の指が痛い。パンに辛子バターを塗る事で、殆ど作業は終わったようなものだ。ああ、面倒臭い。

本当は唐揚げも作る予定でいたのだが、時間がなくなってしまったのと、揚げ物なんか出来ない位暑いのと、後片付けも面倒臭くなってしまったので断念。

サンドイッチの具は、ハムとレタスと胡瓜とトマト。

2/3を二人で食べて、残りの1/3はイノウさんの朝ご飯用にと、保冷剤と共に保冷バッグに入れる。

飲み物は出先で買えば良い。



時間厳守のイノウさんは、7時20分に到着。

家から羽田まではそう遠くない。しかも何度も猫を送り出したり迎えたり、行き慣れた道だ。綱島街道から南武沿線道路に出て、遠藤町交差点で第2京浜から環八に入るコースを選択した。

どこも道が混んでいて、果たしてどのコースが最良だったのか今も解からない。第3京浜(高速)から行くと環八を長く走る事になるし、第2京浜や産業道路からだと羽田までは比較的近いけれど、そこまでが遠い。中間を採って第2京浜としたのだ。

どうでも良いけど、第1京浜(国道15号線)と第2京浜(国道1号線)は一般道なのに、どうして第3京浜だけが高速道路なんだろう。

羽田空港エリアに入っても、車が一杯だった。みんなどこへ行くんだ?

「ナビはお任せ下さい」と豪語していたくせに、「西貨物」地区への曲がり角を通り過ぎて「あ、ごめん。今のところだった・・・」と言うマヌケ。しかし、どうせ空港内の道はサーキットの如くグルグルと回れるように出来ているのだ。グルリと回ってまた戻る。



貨物地区へ入るゲートでのチェックは、以前にも増して厳しくなっていた。テロ防止の措置だろう。二人とも身分証明書を提示させられるし、カウンターでもハンコを貰って最後にゲートで提出しなければならない、勿論、以前から通行証を貰う為に、氏名や行き先、車のナンバーなど記入しなければならない。

ANAのカウンターへ行き、ここでも身分証明書を提示させられ、コピーされる。カンちゃんの受け取り予定時刻までは20分ほどあったので、待合室の椅子でイノウさんに朝ご飯を食べさせる。お休みの日なのに随分と早起きざてしまったので、せめてもの償い、いや、お礼かな。

「コンビニのサンドイッチより美味しいでしょ?」
「美味しいです」

無理矢理言わせているよな、私。



カンちゃんの入ったキャリーを受け取ったのが、午前9時少し前。カンちゃんは、キャリーの中でおとなしく香箱を汲んでいた。

さあ、新しいお母さんのところに行こうね!

羽田から首都高に乗る事にしたのだけれど、入口が直ぐに見つからず、またしてもサーキットを2周する。ま、空港内の道は楽しいから良いさ。

高速に乗ってからは殆ど順調で、あっと言う間に東北道も下りる。そこからの下道の一部がちょっと渋滞していたけれど、渋滞地点を抜けたら後はスイスイ。なんと、10時半には里親さんの家に着いてしまった。

里親さんは、お馴染みのげこちゃんだ。みみクンの仲間たちの新しいSOSを立ち上げた直後、一番状態の悪いと思われるカンちゃんを引き取りたいと申し出でくれたのだ。

電話を貰った時は、咄嗟にどう反応して良いか解からなかった。けれど間違いの無い里親さんだ。ケアの必要な子を安心して託す事の出来る相手だ。だから有り難くお受けした。そして今日のお届けは、是が非でも私が行かなくてはいけないと思っていた。実現出来たのも、イノウさんの協力のお陰です。有り難う。



カンちゃんのキャリーには、色々と持参品が幅広のテープで留め付けてあり、そのテープのひとつひとつにKIKIさんの丁寧な手書きの文字で

「ボクはカンちゃんといいます。初めての飛行機ドキドキです」
「目が見えませんので優しく扱って下さい」

というような言葉が書かれていた。(手元にないので、記憶だけで書いているからちょっと違うかも知れないが、殆ど合っていると思う)

カウンタの係員の女性も、受け取った私も、メッセージに気づいたイノウさんも思わず笑った。決して可笑しかったからではない、KIKIさんの一生懸命で誠実な想いが微笑ましくも切なかった。今思い出すと、ちょっと泣ける。

カンちゃんのオシッコの染みたトイレの砂、そして道中でおもらししたら困ると思ってかペットシーツの替え2枚、私とげこへの手紙が丁寧に別々の封筒に入って2通、そしてげことイノウさんと私へのお土産まで、テープで几帳面に貼り付けてあった。

到着してから、テープを剥がしつつ、げことも話した。「こういう(手抜きの出来ない誠実な)人なんだよね、KIKIさんて(人は・・・)」と。



キャリーの扉を開けると、日輪が入って行ってカンちゃんを舐めてやっていた。小さい日輪は、まるでうちのゴマのように甲斐甲斐しかった。

カンちゃんは、直ぐにキャリーから出て、日輪のお世話になりながら家中を探索し、間もなくスキャナーの上で寛いで見せた。どの先住猫も威嚇しない。カンちゃんが飄々としていて動じないから、みんなみ無視していられるのかも知れない。

2階へも行ったし、階段も一人でちゃんと下りて来られた。お水もたくさん飲んだし、私が帰宅してからご飯もウンチも済ませたと言うから、やっぱりカンちゃんは大物だ。

それと同時に、KIKIさんに救出されるまでの年月というものは、食べて出して眠るだけが彼にとって「生きる」事の全てだったのだろうと改めて感じる。甘える事も知らず、手当てもされず、苦しい事に鈍感にならずには生き抜けないような地獄の環境に居たのだから。

予想していたよりも、カンちゃんはずっと小柄だった。オスとしては勿論だが、メスと比べても小さい位だ。何歳なのかも解からない。「太らせるよ、直ぐに!」とげこお母さんは言う。うん、丸顔にしてやってね。

名前は、「カンちゃん」という名前を大事にしたいので、いっそこのまま・・・とも考えて下さったのだが、先住猫に「おかん」がいる。あまり語感が似過ぎていても、猫が混乱するだろう。色々と意見が交わされた結果、「観音」と書いて「カノン」に決定。ちょっと素敵。



昼は、ちょっと趣のある蕎麦屋で色々と美味しいものを食べた。

シシャモにゴマをびっしりまぶして揚げたもの、鰊の煮物、胡麻ドレッシングのサラダ、鴨の煮物、天麩羅、そしてせいろ蕎麦。

いずれも丁寧に作ってあり、盛り付けも量も上品だ。ハッキリ言って、出て来たもの全てを私一人で食べろと言われれば(誰も言わないだろうけど)食べられるだろう。でも私ももう大人の女性だから、そんなに食べてはいけない。



3時半頃、おいとまして家路に着く。

今度は東北道から外環道へと回り、下道に下りるとまたメチャクチャ渋滞していた。環七は、歩いた方が早い位の混み様。

渋滞が一番疲れるね。しかも暑い日で、体温調整が上手く出来ない私としては、熱が体内に篭もってしまって辛い。保冷剤で時々冷やしながら戻って来た。



通院に間に合うギリギリの時刻に家に戻れた。

嫌がるゴマをキャリーに入れるには、どうしても二人掛かりでないと難しい事に気づいたので、診療時間のうちに戻る約束をしていたのだ。

これも無事に済む。あと一度注射に通い、再度検査だ。



そして晩ご飯を三人で食べに出掛けた。

本当は、例の居酒屋で美味しいものを少しずつ色々と食べる計画だったのだが(昼にも美味しいものを食べたばかりなのだが)、生憎店は満席だった。

仕方なく、別の店に行く。土曜の晩だもの、どこも混むのかな。



おめでとう、カノン、そしてKIKIさん。本当に良かった。

ああ、もう面倒臭くて最後まで書けないや。以下省略。



たまに出掛けるものだから、そして一日に出来事が盛りだくさんだと、ついつい「日誌」になってしまうなあ。これじゃあワシ、まるで宿題の絵日記に振り回される小学生みたいやな・・・

はっ!アカン、観音(カノン)が憑依してもうたわ。



いや、しかしカンちゃん、美味しいキャラやったなあ・・・


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