ジャム

じっと我慢

Sep.30,2002

2日連続で川の夢を見た。初日は、どこかの湖のほとりでピクニックをしている。そう言うと明るくのどかな景色を想像するかも知れないが、湖の水辺ギリギリまで古い民家がぎっしりと(都市部のせせこましい住宅地・・・例えて言うなら北区十条あたりのイメージ)立ち並んでいる。至るところ日当たりも悪く、ゲゲゲの鬼太郎でも出てきそうな雰囲気である。その家と家の路地(犬走りに近いような狭い路地)をはさんで、私とこうちゃんはピクニックのご飯を食べ終わり、湖に足を向けて寝ころがっている。別段不安も覚えず、むしろ寛いで眠ってさえいたようだ。

やがてその路地を通って、大勢のサーファーがワイワイとやって来る。湖の波でサーフィンが出来るのかどうか知らないけれど、次々と水のなかに入って行く。普通サーフィンというのは沖から岸に向けて寄せる波に乗るものだが(普通というより、それしか方法がないだろう)、夢では湖がその円周の部分に逆時計回りの流れがある。流れるプールのようだ。ナンセンスではあるが、夢だからしょうがない。そして湖と言っても、陸上競技のトラックほどの大きさしかない。

見ているとやけに楽しそうで、私も仲間に入れて貰う事にした。但しサーフィンではない。犬ゾリの足を乗せる部分が辛うじて足が載る程度の板切れになったような細長い小さな板切れに乗って、手すりがついているのでそれでバランスと舵をとりながら波の上を横向きに走るのだ。

これが楽しかった。さざなみの立つ場所を渓流下りの如く走って行くのだが、ところどころでスキーのモーグル競技のようにジャンプしたり、ひねりを加えたりしてその難易度で点数を競う。まったく非科学的なのだが、小さな回る湖で、大きなチリトリのようなヘンテコな板切れに乗って、私にも結構才能あるかも?と思いながら、そのヘンテコなサーフィンを楽しんだ。

やがて日が暮れて来る。サーファーたちは帰って行く。私たちもそろそろ引き上げるか・・・と思った途端、湖の水がサーッと引いて、右手にそれまで気付かなかった川へと流れ込んで跡形もなく消えた。その川も、先日来タマちゃんが出没しているような、街中にある護岸工事がされたお堀のような川である。幅も5メートル位しかない、こじんまりとした水路と呼んだ方が相応しいような川だった。

川の中を覗いて見ると、とても水が澄んでいる。その透明な水の底に何かの姿が見える。ウロコがあり、緑色をした大きな長い生き物だ。「大蛇かな?」と思ったら手足があり、顔もワニのように大きい。大ミズトカゲだとこうちゃんが言う。流れの中で、ゆっくりと移動して下流に行ってしまった。上流を見ると、家々の路地が全て水路となっている。和風な家並みだが、まるでベニスのような町なんだ・・・と驚く(ベニスなんか行ったことないが)。

2日目は、私は山沿いの温泉街の川の端の上にいた。ここの水もとても澄んでいて水量も豊富だ。流れは感じない程、静かなこれまたお堀のような川だった。前後にドラマがあるのだが、それを言っていたら長くなり過ぎるし、あまりにもシュールでプライベートな夢なので、読む側はいよいよ退屈だろうと思う。人の夢の話を聞かされるほど退屈な事はないだろうと想像するので、これでおしまい。川が出て来る夢はいつも印象的で、いつまでも忘れ難い。

週明けはご相談が多いようだ。一日中、電話から離れられない日となってしまった。ご相談だけでなく新しい出会いもあり、悲しい報せもあった。しかし一番腹が立ったのは、山口の山下さんの息子さんがいわれなく中傷されているという件に関してだ。仔猫を里子に出した相手が完全室内飼いの約束を破って仔猫を外に出していた為に近隣でトラブルになり、処分の危機にあったものを一旦戻して貰っていたのだが、その後里親さんに言わせれば山下さんは自分が貰い受けた猫を返さない「猫泥棒」だと言われるし、当初の約束は無視して室内飼いも避妊も出来ないと開き直り、揚句の果てには「親は猫を沢山家に入れて飼っているか知らんけど、息子は外で猫を虐待してるくせに、自分の息子の教育をしろ」とまで言ったそうだ。

もともと、近くの団地で猫を虐待していた小学生がいたのだが、それが問題となった時に、猫好きでしばしば野良猫にも触れていた山下次男が疑われたという出来事があったのは事実らしい。しかしそれは正式に犯人が判り、当初山下次男を疑っていた教師も詫びを入れて来たという。それで一件落着していたとばかり思っていたら、知らないところで噂と中傷は広がっていたという事らしい。

山下さんの住む長門市の某地区では、家猫に避妊の金を惜しむ人達で溢れているようだ。避妊はお金がないから出来ないと言う人達ばかりだ。室内で飼う事も、多分トイレの砂を買うのが惜しくて、外で排泄させる為に出してしまうのだろう。たとえ誓約書を交わしたところで強制力がなさそうだし、いざ誓約書を楯にとって争った時には、信頼関係・人間関係は修復不可能になるのだろうと想像する。誓約書などなくても、人と人との間の信頼を裏切らないで済むような、そういう人間関係が里親と保護主との間には結ばれていて欲しいけれど、多くの場合はそれが夢物語であると言われてしまう。私はそうは思わないけれど、私のやり方を人に強要する事は出来ないししたくない。

人に誤解されたり中傷されたり、根拠の無い噂をされる事は、実際には避けられるものではないと思う。私だって、ある活動団体を支援している個人サイトのオーナーに、どこでどう考え出したか知らないが「川口は自分で仔猫を保健所に連れ込んでいる」と噂をたてられ、その人の信奉者がまたそれを広めてくれていたようだ。しかし、最近良い事を教わった。横浜では、保健所で猫は扱っていないのだという事実をである。これは何を意味するのか・・・つまり、市では提携獣医に安楽死させているという事を知った訳だ。噂を広めようとした人は横須賀市の人だから、横浜の実態を知らなかったのだろう。私とて市民でありながら知らなかったし、そもそも保健所がどこにあるのかもいまだに知らない。

そもそもこの噂が出た発端は、私がある獣医の保護猫を何匹も里子に出していた時の、余所の里親掲示板への書き込みへの中傷であった。そこの保護猫たちは、つまり処分目的で持ち込まれていたものだったのだが(そんな事とは知らなかったのだ)、月末を期限に(保健所で・・・とばかり思ったのだが)処分される仔猫たちだったのだ。おそらく提携獣医にまわされた猫の処分状況を報告書として提出する期限が、各月末であったのだろう。その獣医も直ぐに処分するのは忍びなくて、私のようなボランティアがいるのであれば可能性に賭けてみよう・・・という事で依頼をよこしていたらしいのだ。私はある時期から自分の名前で「譲渡契約書」にサインして期限なしで里親探しをしていたのだが、「月末で処分・・・」と獣医は言葉を濁しつつも、ハッキリと言い渡していたのだ。それをそのまま、代理で募集した際に記事で訴えたのだ。

その人は「馬鹿じゃないの、獣医がそんな事をするはずがないじゃない」と言っていたようだが、馬鹿は当人であったという訳だ。流石にその時は名誉毀損で訴えようかとも一瞬思ったけれど、鵜呑みにして信じる人は相手にしなければ済む事だ、私のしている事を見て自分で判断して貰えればそれで良いから・・・と無視し続けて今日に至っている。

私や山下さんのような大人はいい。自分の心にやましい事がなければ、毅然として生きて行くだけだ。しかし、小学生の子供が動物虐待の汚名を着せられているのは許し難い。虐待どころか、率先して動物を可愛がり、母親の手助けをして保護猫たちの世話をしている息子を、どうして心無い大人が傷つけて良いものだろう。

しかし山下家の息子たちは、子供ではあるがいずれも強い男だ。お父さんとお母さんが信じてくれていれば、自分はどう言われても平気だと言う子だろうと思う。それでも両親が、どれだけ息子の心を大切に思っているか、そして自分が卑しめられた事よりも遥かに悔しくて悲しい、何を失ってでも子供の名誉は守ってやりたいと願っている事だけは、心を込めて伝えてあげて欲しいと山下さんにはお願いしておいた。

山下家のプロフィールをご覧戴ければ薄々お解りだろうと思うが、息子は山下母のいわゆる「連れ子」なのだ。それでも自分の子供と思って接し愛して守ってくれているお父さん、そして本物の親子・家族としての絆を深める為に努力して来たお母さん、理解し合う為には手抜きしないで交わる夫婦・・・この家族のどこを見て猫を虐待して殺す等と言えるのか、長門市民は恥を知れと言いたい。そんな中傷をする前に、自分の飼い猫の避妊くらいしろ、産まれた子を山下さんに押し付けるな、山下さんが引き取らなければ平気で捨てる事を繰り返すな・・・と強く言いたい。

山下さんは、先日市長に宛ててメールをした。曰く、もっと避妊をして飼うように行政からも指導して欲しいと。しかし市長からの返事には、そのことは触れられていなかった。きっと長門市にも、心有る飼い主はたくさんいるのだと思う。しかし、あまりにも一部の人間が負担を強いられている。見ないようにしているだけでは済まず、玄関まで仔猫たちを抱いて連れて来ては「あそこの子は引き取れて、どうしてうちの子は引き取れないのか」と言っては、引き取ってくれないなら処分すると仔猫連れで脅迫する住民が、何故そんなに多いのか?

地元で山下さんを支援し、一緒に意識を広めてくれる有志はいないのだろうか?ここで私がお願いしても無駄かも知れないけど、長門市の方で山下さんを応援してくださる方はいませんか?もはや山下さん一人では無理です。長門市民の名誉の為にも、一緒に出来る事をして戴けないでしょうか?

いよいよの時には、長門市に外からプレッシャーをかけるしかないだろうか?とも考えている。脅迫ではない、どこぞの暇人にサイバーテロなどとは間違っても言わせないような、静岡市に対して働きかけたようなリスクを自ら引き受けるような形のお願いを、長門市に対してもしなければならないのかも知れない。どうして横浜の私が?そうだ、病気の私がやらないで済むよう、長門は長門市でちゃんとやってください。横浜だって問題山積なんだから。

SOS長崎のはなちゃん(何と、ここにもまたはなちゃんが出現!)を、今夜頑張って立ち上げねば。保護主・美穂ちゃんのお母さんとも電話でお話が出来た。穏やかで知的な、且つとても優しい分別のある女性だった。自分達が被害者であるような意識は微塵もなく、こちらで支援している事を正しく理解し感謝し、自分達で出来る事と今後の我が子の心の成長もきちんと考えてくれていた。そんなのは当然の事とは言え、久し振りで清々しい思いをさせて戴いた。

さあ、今夜も頑張ろうか。台風が来て、頭がクルクルパーになる前に。昨日買った縦笛を吹いたら、マルコはぶっ飛んで逃げ、ジャムは興味津々で近づいて来た。ジャムが逃げないので、マルコも戻って来て、もう何を吹いてもへっちゃらだ。

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