リマ

窓辺で仰向け

Dec. 21, 2004

2004年12月21日 火曜日

午前中の仕事を済ませた頃、こうちゃんが「パン屋へ行く?」と言う。ああ、そうだった。昨日の遺恨を晴らすのだ。

手提げバックから財布を取り出し、お金を補充しようとしていたら「生活クラブ生協」の配達が来た。ああ、そうだった。今週は1日前倒しで配送があるのだった。どうも色んな事を忘れているなあ。

配達品の受け取りを済ませてから、急いで出掛ける。給餌と給餌の合い間に、さっさと行って帰って来なければならないのだからグズグズしてはいられない。一人残れば済む事だが、たまには二人揃って出掛けたいし、二人で選びたいのだ、色とりどりのパンを。ささやかな息抜きだ。

いつもだと道が空く昼休みの時間帯に入っていたのだが、流石に暮れは道が混んでいる。「何だか車が多いね」「みんな急いでいるのか運転マナーが悪い」と話しながら、目的のパン屋へは10分程度で到着した。駐車場にバックで停めながら、ふと見るとバッグの中がスカスカだ。「財布が入っていない・・・」と私が言う。お金を補充した時、財布をバッグに入れずにどこかに置いて来てしまったのだろう。再び「ガビ〜ン!」である。

こうちゃんはガッカリした顔をしている。「取りに戻ろうよ」「参ったな」ごめんね、こうちゃん。どうしちゃったのだろう、私ってば。朝から物忘ればかりだ。

戻る道も、マナーの悪い運転手ばかりで、おまけに工事車輌がいたる所に路上駐車している。苛々しながら家に戻り、階段上の洗面所で財布を発見し、またパン屋へと急ぐ。こんな無駄な時間をとってしまって勿体無い。

パン屋ではお目当てのメンチカツバーガーが売り切れていたので、エビカツコッペにしてみた。他にも茹で卵が1個分丸々トッピングされたパンと、フランスパン生地の中にカレーを入れて焼き上げた(つまり揚げていない)「焼きカレーパン」、そして上げたての普通のカレーパン、チリドッグなどを買う。

1つのトレイでは乗り切らず、2つレジに置き「一緒です」と申告した。レジのオバサン(品の良い奥さんだ)は、「お会計もご一緒ですか?」なんて聞く。「勿論」と可愛げのない返事をする私。夫婦者らしい着飾っていない素朴な中年男女が二人でパンを大量に買い、「一緒」だと言っているのに会計は別々というケースがあり得るのか。

そう言えば、OKストアでも買い物かごをレジ台に2つ置き、紛らわしくないように二人で並ばず、こうちゃんは先にレジを離れているのに、1つ目のかごをチェックし終えると、その後に客が並んでいないにも拘わらず「こちらもご一緒ですか?」と必ず聞かれる。だから最近では必ず「一緒です」と先に言う事にしているのだ。ミスを防止する為のマニュアルがあるのだろうが、状況を見て自分の頭で考えるという事をさせないマニュアルも多いだろうと感じる。

マニュアルは、上から与えられるというものだけではない。自分の中で、知らないうちに出来上がって踏襲しているマニュアルもある。生活クラブの配達員も、「ドアチャイムが壊れているので、クラクションを鳴らして下さい」という大きな張り紙の真上にあるチャイムを、しきりに押していた。張り紙など見ないのだという事が解かった。チャイムはどんな状況であろうと、あれば兎に角押すものなのだろう。そして反応がなければ、声を出して呼ぶとか警笛を鳴らすようお願いしてもほぼ無駄だという事が最近解かって来た。画一的な事だけして貰えれば、それだけでも御の字なのだ。

でも頻繁に届けてくれるヤ●ト便のアンドウさんや、ペ●カン便は事前に必ず電話をくれる。だから不在配達票が入る事はない。殆ど留守にしている事はないのだから、これが当然だと思うが。一番駄目なのは郵便局の配達だ。

さて、昼に早速食べたエビカツコッペは、全然期待していなかったのにとても美味しかった。エピがプリプリでたくさん入っている。断っておくが、私はエビなんか有り難いと思っていない。エビカニ崇拝は私には無いのだ。美味しいと思うカニもあるし、エビだって生もフライも好きだ。でも豚肉や鯖が美味しいのと同一線上にある。従って、エビがたっぷり入っていたから良いと言っている訳ではない。

エビを使う事が本当に効果的な結果となっているのか、コロッケや豚カツと肩を並べて勝るとも劣らない味に出来上がっているのか・・・と、その実力以上に評価されがちなエビに対して私は厳しい選考をしてしまう。今回のエビカツは、そこいらのファストフードのエビカツとは違っていた。歯応えも香りも味も合格。

先日のメンチカツといい、このパン屋のフライは美味しい。ならば次は、コロッケパンも買ってみようか。炭水化物のパンに、炭水化物のフライが挟んである事に違和感を覚えるようになった、ただボリュームがあれば良しとはしない(嘘つけ)大人の私は、まだコロッケパンには手を出していない。
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パンつながりでもうひとつ。手作りのパンを送って下さった方がいる。あんパンとクリームパン、そしてバターロール。早速戴いてみて驚いた。しったりもっちりした生地で、ずっしりと重たい。私はパサパサしたものが嫌いで、だから嫌いなパンが多いのだ。このパンは、今まで食べたどのパンよりも美味しかった。

実母は私が少女の頃、時々バターロールを焼いてくれた。焼きあがるのが待ちきれない勢いで、私達姉妹と父親で次から次へと平らげた。焼きたてのパンはフワフワで軽く、バターをつけて2口で食べきった。50個位焼いても足りた感じがしなかった。だから残す事は殆どなかったけれど、稀に残ると、冷めたら別段美味しくなかった。

巷で売っているバターロールだって、別に美味しくない。焼き直してバターをつけるか、軽く焼いてボイルしたソーセージと辛子でも挟まないと食べられない。パン好きの人が聞いたら、それはパンを食べる・語る資格など無いと、パン好きではないと非難されるかも知れないが、美味しいご飯は冷やご飯で食べても美味しい。パンにもきっと同じ事が言えるのではないかと思うのだ。しかし正直なところ、パンそのものの旨味を感じられるパンが少ないのだ。

しかし今回のパンは違っていた。密度が高くて柔らかく、そして優しい美味しさだった。作り方のどこがどう違うのだろう?(知ったところで私には作れないとは思うが。)あんなパンを売る店があるならば、定期購入したい。
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ゴマが高い場所で吐く「滝ゲロ」を頻発させている。ジーコの背中を念入りに舐めてやるので、自分の身体だけグルーミングするよりも速いスピードで毛玉が溜まるのだろう。しかし滝ゲロする場所が問題だ。今日は、ラックに立ててある書類の上に器用に吐いた。紙と紙の間に絡まるゲロッパ。捨てても構わない書類は捨て、捨てられないものは泣きながら1枚ずつ拭き取った。

滝ゲロはTVの上から、PC本体の上からするのが好きらしい。狭い隙間やコードが絡まった場所を、一体どうやって綺麗にすれば良いのだ。いっそ放置しておきたいが、そんな事をしたらゴキブリに置きエサするようなものだ。

それにしても、自分が寝ている場所で堂々と吐くアインと、高い場所に移動して吐くゴマ。強いはずのゴマが、やはりこうした時には本能的に警戒しているのが解かる。無防備になる瞬間があるからこそ、安全で見晴らしの良い、敵の動向が解かる場所を選ぶのだろう。ゴマに敵など有り得ないのに。一番強いのだから。一番小さいけれど。

そのゴマが、私の毛布に入って添い寝するようになった。アインが私の腕枕で寝ているので、もう少し下の方で身体を丸くする。しきりに私の手を舐めて、お邪魔します・・・と恐縮してサービスしているつもりか。「やっぱりこうしたかったんだね」とこうちゃんと話す。

アインとジーコとミュウが3連メザシで私の腕の中で寝ている様子を、遠巻きにしてじっと眺めていた我が家の4匹目の新入り猫だった「ゴマ」。5年余り経過して、そして私の腕の中に空きが出来た今、そっと自分もそこに参加出来るようになったゴマ。愛しくて仕方ない。

ルス

ちょっと涙目

Dec. 21, 2004
愛しくて仕方ない猫たちは、1階にもたくさんいる。全部の子と添い寝してやれない現状は、申し訳なくて仕方ない。

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