猫雑記20110421

2011年《CAT'S EYES & CAT'S HANDS》猫雑記

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ジャム

手触りの良いアタシ

Apr. 21, 2011

2011年4月21日　木曜日

母さんが夜なべをして手ぶくろ編んでくれた・・・もとい、母が夜なべしたかどうかは知らないけれど（おそらくしていないだろう）、雑巾をたくさん縫ってくれた。

私が雑巾掛けを欠かせないと話していたので、それじゃあ・・・という事になったのだ。

母も私同様せっかちなので、思い立つと直ぐにやる。

そしてさっさと送りたいし、直ぐに感想を聞きたいのだ。

私のせっかちは母に似たのだ。

私の好きな雑巾は手ぬぐいを縫ったもので、手ぬぐいの３つ折り。

母もそう思っているらしく、届いた雑巾は綺麗に３つ折りされて、断ち目が表に出ないよう丁寧に縫い合わされていた。

縫い目はあまり多くない方が使い易い事を、自分で縫って使ってみて思い知った。

私が細かい針目で執拗に刺し子のように縫ったものは、単なる自己満足だった。

固くて使い難かったのだ。

それはまるで柔道着のようだった。確かに丈夫だろうけど、拭き難い、絞り難い。

母は縁を四隅とも縫ってから、中央に十文字で縫ったものをたくさん送ってくれた。

これが拭き易くてキュッと絞り易い。手にも馴染む。

聞けば、母は縫い終わってから良く洗って手ぬぐいの糊を落とし、その後ざっとアイロンを掛けてから送ってくれたらしいのだ。

そう、新品の手ぬぐいは糊が効いていて固いのだ。

だから針の通りが悪くて縫い難い。

でも母は私と違って「運針」が出来るので、私のようにバカみたいな時間は掛けず、しかし「♪せっせと縫っただよ～♪」・・・てな感じだろうと思う。

最近では目も悪いのに、娘の為に何かしてやりたいと思って縫ってくれたのだろう。

私は母と一緒に暮らしたい。

いい歳して言う事でもないが、母の作ってくれるご飯が食べたい。

だけどそれは叶わないから、母の縫ってくれた雑巾で我慢しよう。

宝物のような雑巾だけど、せっせと使おう。

死ぬ時に残してもしようがない。

１０代の終わり頃に母が縫ってくれた浴衣も、まだ持っている。

真夏のお茶会に着たものだ。

今では着ないけれど、これも宝物だ。

でもほどいて雑巾にしてしまっても良いのかも知れない。

浴衣では１枚でしかないけれど、雑巾にすれば何枚にもなる。しかも利用価値が蘇るのだ。

そうすれば宝物のお裾分けも可能だ。

いや、宝物どころか、他人にとっては価値の無いものだよな。

母は娘たちに色んな機会を与えてくれた。

娘たちの人生の可能性を広げてやりたいと思っての事だろう。

なのに私は、失敗の多い人生を送って悉く母の期待を裏切ってしまった。

そんな娘に母は何を思っているのだろう。

怖くて聞けない。

怖いのは母では無い。答の中身だ。

でも、母はこんな私でも可愛いと思ってくれているに違いない。

母の娘なんだものね。

モアの脂肪腫が破裂してもう何カ月が過ぎただろう。

腐った肉や脂肪を掻き取ったりと辛い治療の甲斐あって、今では肉があがって来た。化膿もしていない。

しかし何度縫い合わせても、皮膚が薄くなってしまっている為に糸が弾けてしまう。そして皮膚がくっ付く事無く、肉がむき出しになってしまっているのだ。

傷口を舐めないようにと、ずっとカラーを着けたまま暮らしている。

傷の周囲の毛を刈り、傷には組織が再生し易くなるという薬を塗ってガーゼを当てていたのだけれど、このガーゼをもうやめようかと考えている。

ガーゼが乾けば、剥がす時にまた傷口を傷める。

湿らせておけば雑菌が繁殖し易くなる上、傷の治りが悪くなる。

傷にガーゼというやり方は、今の医学ではもはや正しくない治療法であると言われているのだ。

現在、傷口が化膿していない事、暴れたり動き回って傷口を刺激したり傷めたりする心配が無い事から、今夜の通院を最後に、もうガーゼは当てず、消毒に通う事を中止しようと話し合った。

先生、勝手をしてごめんなさい。

でもモアに対する責任と愛情から決断した事なんです。

結果はどうなるか解らないけれど、ハイポの日に何度かの塗布だけで凌いで行こうと思います。

色々と逡巡し、様々な可能性と方法を考え続けてみたのだけれど、私達の出した今現在の結論は、そういう按配なのだ。

どうすればモアが楽に過ごせるのか、どうしてやる事がモアにとって最も幸せであるのか、それを最優先に考えているつもりだ。

仮に他人から見たら間違っていると思われる事であったとしても、私達夫婦が可愛い娘のモアと共に闘って来て、それで導き出した方針だから、もっと別な良い策が見いだせない限りはこれで行くだろう。

愛する子たちの病気に関しては、本当はいつだって怖いし不安だ。

だけどそんな時こそ、踏ん張りをきかせなくちゃ。

苦しいのは愛すればこそ・・・苦しくて当たり前だと思っている。

だけど苦しみの何倍もの幸せと楽しさを与えられているしね。

何たって、居てくれるだけで幸せを与えられちゃうんだから、敵わないよね、猫には。

テト

僕の手触りには
敵わないと思うよ

Apr. 21, 2011