ルス
アタシちょっぴり
Jul. 17, 2011 |
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ルス
ブルーかも
Jul. 17, 2011 |
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2011年7月17日 日曜日
そんな事はないでしょ、ルッちゃん。
ブルーなのはベッドだけでしょ?
手術の痕は完治したし、良く食べるし、太ってるし、誰よりも強気だし・・・な〜んにも憂鬱なネタなんか無いはずだよ。
何だったら、ママが相談に乗るから言ってみ。
は〜ん?
さてまた昨日の続き。
くっだらない事ばかりで、誠に申し訳ない事でございます。
母が男を見る目があったかどうかは結局のところ良く解らないけれど、3番目の夫、つまりこうちゃんの事は最初からとても気に入ってくれた。
こうちゃんと母の顔が似ている事も、以前に書いたと思う。
顔立ちだけでなく、色白で皮膚感も似ている。
母の父親、つまり私のお祖父ちゃんともこうちゃんは少し似ている。
品の良さ、頑固とも言える程の潔癖な性格もそっくりだ。
だから母は、自分の血に近いものをこうちゃんに感じていたのではないかと思うのだ。
勿論、娘を大事にしてくれている娘の夫には、好感を持たないはずがないのだが。
まだ結婚前にこうちゃんを母に紹介しようとした時、新宿の地下道で母と待ち合わせをした。
私はなかなか仕事を抜けられず、こうちゃんが先に行ってくれたのだが、母は遠くから見て「あ、あの人に違いない」とピンと来たと言う。
特に身体的特徴を事前に話していた訳じゃないし、そもそもが私が先に行けるはずだったので、服装などの目印も言っていなかったのに母には解ったらしい。
そう言えば、母が初めて父と会った時にも、写真も見ていなかったのに、道の曲がり角を曲がって来た父を見て「あ、あの人だ」と直感したそうだ。
そして「この人とは結婚する事になるだろう」と思ったのだと言っていた。
そんな母の勘の良さと比べたら、私なんか一生連れ添うつもりで結婚したものが2度も破綻して、まるで人を見る目が無いと言うか、粘りや努力が足りないと言うべきか、女として夫のツボを押さえる事に欠けていると言うか・・・
兎に角、自分で良かれと思って選んだ道は悉く失敗している。
でもね、終わり良ければ全て良しなのよ。
多分今の夫が最後になるだろうから、これで終わりなのよ。
どうして「良い」「終わり」なのかと言うと、食べ物の好みが同じで、食べる事に関して喧嘩したりすれ違う思いをした事がないから。
まだ恋愛も成就していなかった頃、好きな食べ物が「豚の角煮」だと聞いて、「よしっ!」と心の中でガッツポーズを決めた。
豚の角煮だったら私の得意技・・・じゃない、得意料理だ。
何たって私の大好物なんだから。
これは角煮をエサに釣り上げるしかないと心に誓ったね。ふふん。
それから恋愛が始まってからというもの、毎日、美味しいものでガッチリと心を掴んで行ったと思う。
毎日欠かさず電話をくれるのだが、「こんな長電話している間に、いっそ来ちゃいません?」と誘う。
「豚の角煮が出来ていますよ」とか「豆のカレーを作ったところですけど、食べたいでしょ?」とか、二人とも大好きな「ズブロッカを凍らせてありますよ」とか、美味しいエサをチラつかせる。
そして美味しい罠に掛かったこうちゃんがやって来ると、気合いを入れ趣向を凝らした手料理や好きなチーズでズブロッカや黒ビール、ワインや冷酒を飲み、夜明けまで延々とお喋りを楽しんだ。
食べ物の好みが同じだと何を食べても美味しかったし、話したい事、聞きたい事が山ほどあった。
時間が幾らあっても足りなかった。
良い食べ手がいると、作るのも楽しかった。
中華風茶碗蒸しをどデカい丼で作ったり、どうやって作ったのは今ではすっかり忘れたけど、春雨と炒り卵を入れた辛い炒め物も作ったな。
カレーはこうちゃんにも好評で、しょっちゅう作った。
もうあんな体力と根気は無い。
同じものを食べて、同じように美味しいと感じる事がどれだけ幸せである事か、つくづく感じた。
傍らではミュウとアインとジーコがじっと見ていた。
二人と3匹だけだった頃。
時間にも体力にもお金にも余裕があった新婚時代の想い出。
あれから20年が経過して、猫はあの頃の10倍もの頭数がいて、時間にも体力にもお金にも余裕が無くなったけれど、今夜も最高の伴侶に「美味しいなあ」と何度も言わせた。
何を食べたかって?
葱とカツブシをたっぷり入れた納豆ご飯に、いつもの夏の定番「茄子と胡瓜、茗荷、根生姜、青唐辛子」の塩揉み、それから厚揚げの煮物・・・それだけ。
納豆ご飯の美味しかった事。
「毎日でもいいね」としみじみ言い合う。
勿論、食べ物の好みがフィットするだけじゃ、人生のパートナーとして最高とまでは言えない。
他にも色んな価値観の合致やら、共に乗り越えて来た局面が幾つもあり、今も共に努力して維持しているものがある。
このパートナーシップは、他の人とでは今更かけがえは無いものとなっている。
そういう手応えこそが「幸せ」というものなのではないか。
私達には30頭ほどの超多頭生活を維持し猫たちの幸せを願い、守って行く務めがある。
だから猫にお金が掛かる分、自分たちはあまり贅沢出来ないと心得ている。
諦めじゃなくて、覚悟・・・かな?
でも、納豆ご飯を食べても「つくづく美味しいね」と本気で言い合える。
それは私達が仲良しだからというだけじゃなくて、同じ納豆ご飯でもより美味しく食べるツボを押さえている必要があると思う。
納豆に加える葱やおかか、醤油の量、好みのご飯にする為の水加減・・・どれひとつ欠けても、「つくづく美味しい」とは言えない。
暫くは納豆ご飯にハマリそうたから、そこんところのバランスを保てるよう、手抜きせずに葱を刻み、納豆をかき混ぜ、二人で一緒に「つくづく美味しく」食べたいという気持ちでいたい。
二人の幸せの味だからね。
母には、この点だけでも安心して貰えていたと思う。
突然死なれても、私が幸せに生きている事だけは解っていて貰えて良かった。 |
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