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ゴマ

ご飯より抱っこ!

Apr. 6, 2012
ゴマ

2012年4月6日 金
曜日


映画を見て疲れる

昨日、BSで見た映画【仇討】。

監督:今井正
脚本: 橋本忍
美術::鈴木孝俊
音楽:黛敏郎


キャスト
中村(萬屋)錦之介
田村高廣
神山繁
丹波哲郎
石立鉄男
加藤嘉
三津田健
三島雅夫
田中春男
小沢昭一
三田佳子
進藤英太郎


製:1964年(昭和39年)
公開:1964年11月
配給:東映



何てひどい内容なんだ。

作品としてひどいのではなくて(むしろその逆、映画としては傑作なのだが)、描かれる内容がひど過ぎる。

これは江戸時代の中期、「外様」から「譜代」へと格上げされたばかりの播磨国(現在の兵庫県)の「播州脇坂藩」に起きた騒動の経緯を綿密に描いた傑作映画である。

しかし、乱世の世から100年以上も経過した泰平の世に於いては、もはや形骸化した「武士道精神」というものが如何に滑稽で、名誉や誇りまでがただの保身の為のものになり下がっているか、それをこの仇討劇の中で披歴されている。





武士の名誉、そして武士道精神とは何ぞや。

徳川の世の安泰の為には、その徳川の下に置かれる諸藩が如何に脆い存在であるか。

そしてその藩に仕える武士たちなど、徳川幕府をトップとする膨大な縦割り社会の一組織を守る為には、どんな不条理も受け入れざるを得ず、如何に虫けら同然であるか。

それは、まるで現代のサラリーマン社会を見るようでもあり、それを改めて感じさせられる事にも、そこに存在する生々しい本音を露骨に見せられる事にも辟易として来る。





だけどこれが歴史の中で累々と積み重ねられ、日本の企業人のアイデンティティを形成して来たのだ。



江戸幕府を300年も続けた徳川家の罪だとも言えない。

それは泰平の世を守り続けるという大切な大義と同時に、幕府、いや、徳川の家を守る目的だってあったに違いない。



その縮小版が、諸藩であり、諸藩に仕えるそれぞれの侍の武家の家であり、その構成員一人一人でもあるのだ。

何事も無い時にはその体制が機能しているからこそとも言えるが、ひとたび何かたとえ小事でも起きた時には、その組織は個人の犠牲の上に体面を守り、組織そのものの無事と存続を図る訳だ。







この【仇討】の主人公の下級武士は、こうした縦割り封建社会の中の最下層の武士の一人であり、しかも武家の家督を継ぐ嫡男ですらない身の上である。



ささいな事から口論となり果たし合いをしてしまった主人公(中村錦之介)、相手(神山繁)を斬殺してしまい、その敵討ちにやって来た弟の丹波哲郎の事も、ほんの偶然の成り行きから返り討ちにする。

その結果、三男の石立鉄夫が正式な手続きの下、「仇討」をさせられる・・・いや、許されるのだ。






仇討は一応、果たし合いのような形をとっているが、最初から結果は決められている。

仇を討たれる側(仇人)は必ず殺されるように決められており、綿密にそうお膳立てされているのだ。

そして逃げられないよう竹矢来が組まれ、その外側からは見物人たちが仇人(主人公)に石を投げつける。

お陰で仇討のショウが始まる時点では、もう仇人は血を流している。




こういうのが「竹矢来」・・・良く見るでしょ?時代劇で

この仇討は、いわば綿密に計画された「なぶり殺し」の「処刑」であり、一般大衆にとっては最高にエキサイティングな娯楽としての「見世物」でもある。

何て悪趣味なんだ。



しかし、そんな事は何も日本に限った事ではない。

ローマ時代の円形闘技場に押し寄せた大衆は、猛獣とグラディエイター(剣闘士)との残酷な闘いに歓喜の声を上げ、内蔵を抉り出されて四つ裂きの刑にされたウィリアム・フォレスの処刑にも大衆は大喜びしていたではないか。

どちらも映画で見ただけの知識だけど・・・。









当時の武家社会の実情がああであったとしても、皆がお家(時代劇なんだから「おうち」と読まないで「おいえ」と読んでね)や家督、家名、そして自分の立場を死守する為に保身にだけ走り、行きがかり上、仇役となった主人公を追いつめて行くのだ。

あんまりな内容だが、組織の中で如何に些細な口論から始まったとはいえ、我を忘れて殺し合いをしてしまった主人公が悪かったと言えなくもない。



だって、そうだろう。

赤穂浪士の主君、浅野内匠頭が禁を破り殿中で刀を抜いて吉良上野介に斬り掛ってしまった事は悪くなかったのか?

如何に酷くバカにされ罵られたとはいえ、浅野内匠頭は吉良上野介を殺そうともしたのだ。

吉良上野介だけが悪者のように描かれる物語の【赤穂浪士】は、何だか違和感があって仕方ない。






しかしまあ、これではまるであの映画【切腹】とそっくりな酷い武士連中だよね・・・と話していたら、やはり同じ橋本忍の脚本であった。

監督は違うのだが、脚本が同じなのは見比べて戴ければ成程・・・と思うはず。

そしてこの【仇討】では、流石の大スター中村錦之介が主役とあって、最後にちょっとばかり胸のすく展開もも用意されている。

そこは【切腹】で、竹光で切腹させられた哀れな石浜朗の哀れさとは違う。

石浜朗の仇討として乗り込んだ仲代達矢の暴れっぷりをも取り入れている。



しかし結局は多勢に無勢。

あえなく殺されてしまう結果に変わりは無い。









討ち手である三男坊は、どこかで見た顔だと思ったら、若い若い石立鉄夫であった。

まだ子供と言っても良い位の年なのだろう。

しかも本人の意志で仇討をする事になった次第でも無く、あれよあれよという間にこんな羽目になっていたのだ。

お膳立てして貰っていた簡単な結末と違う、凄みを増すばかりの斬り合いに恐れおののき、可能な限り遠い場所にしゃがみこんで顔を覆い、泣いていた。



それ位、本当は簡単に討たれて死ぬはずだった仇人の、最後の意地は凄まじかった。

それは不条理な武家社会システムへの怒り、自分をキチガイに仕立てて事を簡単に済ませようとしていた藩の重鎮たちへの怒り、どうしてこのような事になってしまったのかという納得がいかない怒り・・・そのパワーで、彼はこれまでになく鬼気迫る剣の使い手と化していた。

しかしリアリズムに於いては、彼が生き残れる可能性など無いのだ。

ターミネーターではないのだから。








実に知った顔ばかりのオールスター・キャストで、俳優たちの個性的な演技が楽しめる。

助太刀の6人の何に、若かりし頃の蜷川幸雄発見。




丹波哲郎、【切腹】の時と同様この映画でも脇役で、うっかりしていたのか血気に逸って間合いを間違えたのか、太い木の枝に刀を討ち込んでしまい、負けるはずの無い相手に斬られて死んでしまう。

綺麗どころは三田佳子。

この人の芽はいつもはれぼったく手、それが泣いた後のような目に見え、そういう顔が色っぽく感じさせるのではないか。

【切腹】での紅一点は若かりし頃の岩下志麻だったが、これは労咳で日に日にお化けのようにやつれて行き、なにもこんな役に岩下志麻を持って来なくても良いのに・・・と思った。



だけど、しょせんこういうテーマの映画で、女優はほんの添え物。

あくまでも男たちの大義や意地の世界であって、悲しいが、女、そこに出る幕なし。








中村錦之介(萬屋錦之介)、たいそう台詞が立って、上手い役者の中にあっても群を抜いて際立っている。

滑舌は良い、声は良い、演技も上手い、向うところ敵なしである。

目にも体つきにもアドレナリンがみなぎり、円熟味もある。

けれん味なくあそこまでパワー全開の演技をされると、観ている方も素直に飲み込まれて行く。

今まで、好きな俳優であるかどうかなど考えた事も無かったのだが、錦之介の主演している映画はもっと観ておいた方が良い。

昭和生まれの人達も、平成の若者たちも、かつての日本映画界に、こういうエネルギッシュで正統派の俳優がいた事を知っておいた方が得だと思う。

兎に角上手くて、圧倒的な存在感だ。






【切腹】が1962年、この【仇討】は1964年作品である。

既にカラー映画もあった時代なのだが、白黒で撮る監督がまだ多かった時代でもある。

黒白映画でいつも思うのは、血がカラーよりむしろ生々しく感じられる事だ。

この映画でも,流れる血が多く見せつけられて、かなり凄惨。





とりとめなく思い出すままに書いてみたけれど、結構、この映画を気に入っているんじゃないのか、私?

泰平の世に於ける武士道精神の虚しさや残酷さ、そこにしがみつかないではおられない男たちの弱さ・悲しさ、それはまさに今の世にも通じる精神で、宮仕えはもう懲り懲りだなあ・・・と改めて思った。

いや、武士だろうが町人だろうが、百姓だろうが俳優だろうが学校の先生だろうが王様だろうが、古今東西、何をしていようと、楽な生き方なんて無いのさ、きっと。






ああ、疲れた。

男たちの生き方は、時代劇といいウェスタンといい戦争モノといい、観ていて疲れるわ。

それだけのめり込んでいるっちゅう事かも知れないけれど。

あ~それにしても現代に生まれて良かった・・・んだよな、やっぱり。
ゴマ

抱っこ~!

Apr. 6, 2012
ゴマ
ゴマ

また抱っこしたい?

Apr. 6, 2012
ゴマ
ゴマ

そろそろ抱っこする?

Apr. 6, 2012
ゴマ

庭から収穫、細々と、でも色々と

食べる為にカットして来た春菊。

結構たくさん採れた。



それから剪定したセージは、直ぐに使い道が思いつかないので、吊るしておいてドライ・ハーブにする事に。

セージの置かりが大好きなので、そのままポプリにしても良いかな?
春菊収穫

Apr. 6, 2012
春菊収穫
セージ
とりあえず乾燥中

Apr. 6, 2012
セージ乾燥中

同じく剪定した「セント・ジョンズ・ワート。

これは焼酎に漬け込んで、チンキを作っている。

後で水で割る。

頭痛や肩凝り、不眠などに良いというのだけれど・・・はて、ちゃんと活用出来るかな?
セント・ジョンズ・ワートの
チンキ製造中

Apr. 6, 2012
セント・ジョンズ・ワート・チンキ製造中
種蒔きしたスナップエンドウが、いきなりニョキニョキ伸びてきたので、支柱を立ててやった。

ちょっと手遅れの感あり。

互いに巻きつき合ったり、ネギに巻きついたりしてしまっている。

もっとマメに観て手当てしないとダメだと反省。



しかしまだ収穫には至らないので、生協で買ったスナップエンドウを、茹でてマヨネーズで食べる。

甘くて美味しい。

これはおやつだ。
スナップエンドウ
生育中

Apr. 6, 2012
スナップエンドウ生育中
買って食べた
スナップエンドウ

Apr. 6, 2012
買ったスナップエンドウ
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