ジーコ

慣れない子守り

Jun. 3,2001

長い夜を過ごして、すっかり明るくなってから寝た。里親候補の方とのやりとりも出来たし、新たなSOSへのリンクも張った。大阪のペツトショップが閉鎖するにあたり、繁殖用に置いていた《猫たちを処分すると言うものに立ち上がった救済活動である。愛玩動物ををビジネスの対象としてのみ考えて、不要になったら殺すのか?昨今のペットブームというのは、それだけ日本が豊かになった証拠かも知れないが、本当の豊かさというのは、自分(あるいは人間)の都合しか優先して考えられない奴のところには存在しないのだ。

ケースは違うものの、子供が生まれて「猫アレルギー」だからと言って、それまで可愛がっていた猫を自らの手で保健所に連れて行ける母親や祖母さんがいる事にも非常に驚く。随分と人生そのものが無計画なんだなあ・・・と呆れる。そういう母親は、結局のところは自分の子供ですらまともに育てられないのではないか。狭量な心は、子供の心の成長をも妨げるだろう。そういう母親こそ、優生保護として子供を持たせない方が良いとすら思う。過激で失礼。でも本心なんだも〜ん。

かく言う私も、子供を持たない人生を選んだ。自分の意志で仕事を続ける人生を選んだのだから後悔はしていないつもりだが、子供がいたらどうだったろう・・・と考える事くらいはある。ミュウやアインの妹(弟)で、ゴマやジャムの姉(兄)という位置づけだったかも知れない。

人間だからと言って犬や猫に勝る存在価値があるとは思えない。人間は働いて納税もするから偉いのか?文字を使い、火を使うから優れているのか?ならば、そういう事の能力がたまさか欠如している人間や、保護を受ける人間には価値がないのか?そうじゃないだろう、と声を大にして言いたい。「たかが猫」などと言える人間たち・・・・・お前らこそ人の心の尤も醜い部分を培養している、バイ菌の温床みたいなものだぞ。

明日の晩、獣医の仔猫を1匹里子に出せるかも知れない。お渡しの時期は成長の様子にもよるし、あと少し話を詰めて2匹兄弟で里子に出す可能性も大きい。ご夫婦で来て下さるので、良くこれからの事をお話しさせて戴こう。そして週末には、れいさんの家に里親さん候補第一号をお連れする。もう何度もやりとりしていて、授乳からお手伝いしますとまで言って下さったのだが、すっかり猫母と化しているれいさんに離乳まではきっちりお願いして、その後のお渡しとさせて戴く事にした。

お渡しはまだ先だが、先ずは一度お目に掛かっておきたいのと、仔猫も見て頂く事にした。お嬢さんが既に名前まで決めているらしくて、待ちきれない様子なので、写真や手紙をお送りしたり実物も見て頂いたりしながら、何とか辛抱して頂こうと思う。手かせ見に添付した写真は、まだ猫の子なのかブタの子なのか判らない生後2日目のものだったから、明日またプリントアウトして手紙に添えてお送りしようと思う。

また新しい忙しい週に向けて、料理の作り貯めもしている。今週はビーフシチューを煮込んでいる。牛のスネ肉を1`用意したのだが、こんな量では足りなかったかも知れないな。野菜は全部煮溶けてしまうので、後からシメジを加えて食感のあるものにする。明日の晩には美味しく出来上がっているはず。なに、手間など全然掛からない。鍋とガスコンロが作ってくれるようなものだ。味付けだけは自分のセンスである。ドミグラスソースは味のないカンヅメのものを使ってしまう。そんなものまで作っていたら、とても仕事など行っちゃいられない。大学生の時は時間があったので、ソースも手作りしていたのだが、ハインツのカンヅメでも充分だ。

ジーコが最近、よくジャムと遊んでくれるようになった。最初はちょっと飛びかかられると逃げてしまっていたのだが、慣れない様子であやしたりしてくれている。やっぱり時間はかかっても、次第に新しい環境の中で学習して、性格すら克服していくものなのだと思う。心も成長するのだ。だもの、人間側だって成長しないと。


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