アイン

氷の瞳

Jul.31,2002

アインは寝ていて目覚めると、必ずいななく。最初はか細く、しかし次第にヒステリックに大きくなる。人間ならば差し詰め「う〜ん?」と目覚めて「ああ、良く寝たわ」・・・「あたしったら、どこで寝ていたのかしら?」・・・「みんないないの?」・・・「どうして誰も返事してくれないのよっ?!」・・・という感じに聞こえる。根負けして返事したが最期、一目散に駆けて来て無理やり抱っこしてしまう。アインちゃん・・・今は忙しいんですけど・・・。

マルコとも大分接近したままで平気になって来た。かなりの至近距離で寝ていたり、昨夜は恐れを知らないマルコに背中に馬乗りになられ、首に噛みつかれても少しも騒がず、しばらく我慢してから遂に逃げた。今年は昨年に比べたらぐっと体調が良いせいもあっての、この余裕なのかも知れない。それにしてもアインの顔は大きい。

先日ここでお知らせした加納さんの保護猫「みなつ&パス」は、みなつだけ戻して貰う結果となり、その後別の里親さんの元へと旅立つ事も決まった。あの子たちの一時預かりのお申し出などがたくさん寄せられたようで、私からもお礼申し上げます。外で短期間でも暮らして恐い思いをした事のある子は、ふとした時に警戒心が甦ったりする事もある。それが具体的にどういう様子を見せるのかは様々だろうが、人間側から見たら「問題行動」ともとれる様子である事も珍しくない。威嚇や恐怖ゆえの攻撃、トイレ以外の場所でのオシッコ、狭い場所への引き篭り・・・しかしそれは、その猫が性格や能力が劣るという事では決してないのだ。いや、むしろ賢くて感受性の豊かな子の方が、そうした問題行動を起こし易いと思って差し支えないと思う程だ。

だから、どうか短期間で諦めないであげて欲しい。安心出来るまでは、そして心の傷が癒されるまでには、長い月日が必要な場合もあるのだから。どれだけの思いをしたのかは判らないが、我が家のゴマだって本当にリラックス出来るまでには、2年以上の月日がかかっている。それでも尚、いつまた捨てられるのか判らないと思うのか、この狭い部屋で私が移動するたびに、眠っていたはずなのにしっかりと付いてまわって心細げに鳴くのだ。「と゜こへも行かないよ」「ゴマはずっとうちの子だよ」と、その都度言って聞かせる。                  

最初のうちは、立ったまま近づいたり手を伸ばして捕まえようとすれば怯えさせるのは当然だし、ちょっとでも大きな声や物音は厳禁だし、動作が荒い人も恐れさせる。だから総じて男性や子供は猫には嫌われる傾向にある。むろん例外もある。男性でも猫に好かれたら、デリカシーのある優しい男だと自信を持っていいぞ。幾ら猫撫で声を出しても、猫は絶対に騙せない。猫本意に考えていない人の事は、簡単に見破るようだ。ほんの赤ちゃん猫のうちは別として・・・。

里親募集がまだまだ多い。1匹でも貰われて行って欲しいと願いつつ、今夜も作業開始だ。さて・・・


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