猫雑記20100712

《CAT'S EYES & CAT'S HANDS》猫雑記

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ペロ

ママを好きかって？

Jul. 12, 2010

2010年7月12日　月曜日

ずっと考えていた事なのだが、静岡からの相談でスタートしたＳＯＳ（>>こちら参照）を終了する事にした。

ひとつには、皆さんからのご厚意で集まった基金をアテにして、おねだりが多くて困っていた。

決して潤沢な基金ではない。全国各地の皆さんに次々と支援出来るような性質のものではないのだ。

見ず知らずのご相談者の窮状に対して、お節介にも私が代理でＳＯＳとして呼びかけ、そこに支援して下さった皆さんの懐具合に余裕があってのご厚意とは思えない。

いや、失礼な物言いだったらごめんなさい。

でも、経済的に余裕があって保護をしている人達なんて、一体どれだけ居るだろう？そうでない人達の方が遥かに多いのだ。

みんな生活するのに精一杯で、その為には心身共に辛くとも働き続けたり、爪に灯を灯すようにして節約したお金を可哀相な動物や誠実に頑張る保護主さんの為にカンパしてくれているのだ。

Ｔさんは交通事故で大怪我をした後遺症で本当は身体が辛いのに、仕事を掛け持ちしながら資金を作り、野良猫の避妊とエサやりや保護を黙々と続けている。彼女からは、泣き言を聞いた事がない。

いや、一人で泣きたい気分の日もあるに違いない。

でもそういう時には、私には心配を掛けまいとして連絡をして来ないのだ。水臭いとは思うが、それが彼女の美意識なのだろう。

Ｎさんも、自分が大変な時には絶対に連絡をして来ない。一人で踏ん張り、嵐が通り過ぎてから新たなチャレンジをしている様子を知らせてくれる。

その嵐は、ただ待っているだけでは通り過ぎやしない。泣きたいほど苦しい努力をして、初めて通り過ぎてくれるものだ。

我が妹も、かつて交通事故で脊椎を損傷し半年も入院した挙句、症状固定・・・つまりそれ以上は回復しないという事で退院。

復職した後も体調は良くなくて、おまけにＣ型肝炎が追い討ちを掛けた。いよいよ具合が悪くなり、昨年末から今年の春に掛けてインターフェロン治療を半年間、仕事を一日も休む事無く続けた。

副作用が強く出て髪は抜け落ち、体重は１０キロ以上も減り、金曜の夕方に注射した後の土日は水を飲んでも嘔吐するという日々だったものの、生活の為には仕事を休まなかった。

さぞかし苦しかっただろうと、たった半日の嘔吐の連続を経験しただけでも解る。

そればかりか、近くに住む両親を、不甲斐無い姉に代わって、自分が具合悪い最中ですら面倒見てくれていたのだ。

そんな妹に感謝も尊敬もしているが、この歳になると、多かれ少なかれ誰でも皆同じような事をしているのだと思う。

若ければ若いなりに、或いは子育てしていれば経済的にも時間的にも苦しいのも当然だし、みんな生きていくのはそう簡単な事じゃない。

苦しい状況であろうと、そうして頑張るしかないのだ。

お金は空から降っては来ないのだから。

だから私も難病だろうが神経痛だろうが、自分が生きる為には働かなければならないし、苦しい時でも、苦しい時だからこそ踏ん張る事が大事なのだ。

私に責任のある私の人生は、自分で全うするしかないのだから。

ＳＯＳに寄せられた支援の余剰金は、幸いにも尼崎の寺岡さんご夫妻が引き受けて下さった。

寺岡家には、現在３６匹の保護猫がいる。家猫の他に・・・だ。

このご夫婦も泣き言ひとつ言わず、明るく里親募集に取り組んでいる。

明日、残金の８万５千円ほどを振り込みさせて戴き、基金をすっかりゼロにする事にして、本日付でＳＯＳを終了させた。

何ヶ月もに亘り応援して下さった皆様、保護主に代わり改めて御礼申し上げます。

本当に有り難うございました。

お陰様で前足を失った「みっくん」も幸せになれたし、老犬「ラッキー」も命を取り留めています。ラッキーに関してはまだ予断を許さないかも知れませんが、また随時ご報告させて戴きます。

ＳＯＳ終了前から、相変わらず色々なご相談が舞い込んで来てはいるけれど、先ずは自分で頑張ってみてからの相談でない限りは、お相手出来ない。

そして全てに応じる事は、私個人では到底出来っこない。

私はご相談を仕事にしている訳では無いし、誰かが助けたいと望んでいる野良猫を助ける為のお金を差し上げられなかったとしても、そんなに責められる謂れは無いと思うが如何だろう。

お金が必要だったら、どうして働かないのかが解らない。

体調が悪いから？そんなの、みんな同じだ。

弱い小さな命に手を差し伸べる事は素晴らしい行動だ。

だけど、それを継続的に可能ならしめる為にも、自分に経済的・精神的・時間的に少しだけ余裕を持てるようであって欲しいし、自分のキャパシティを少しでも広げられるよう努力をして欲しいと思う。

勿論、私も努力する。人に求める事は、先ず自分がするべきだと思うから。

どれほどの事が出来るかは解らないけれど、死ぬ瞬間まで努力し続けられる精神を持っていたい。

そういう綺麗事を言い続けられる為には、せめて精一杯の努力をしていないと自分で惨めになる。

誰に嫌われても平気だけど、自分で自分を嫌いになってはとても生きて行けない。

ペロ

僕は結構好きだよ

Jul. 12, 2010