ルス
好奇心旺盛
Nov. 15, 2007 |
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2007年11月15日 木曜日
歳をとったなあ・・・としみじみ思う。これと言って食べたいものが無いのだ。
思えば食べる事に執着し続けた半生であった。
３食ちゃんとしたものが食べたい。
不味いものは誰だって食べたくないだろうが、私の場合、毎食に美味しいものをたっぷり食べたいという欲求に支配され続けていた。
だからその為に要する努力は並々ならぬものがあったし、たとえ全て自炊したとしても手間もお金も掛かる。
私に取り憑いた何かが私に食べさせていたのかも知れない・・・と思う程、それは狂おしく私を突き動かしていた。食欲こそが私のアイデンティティであったと言える。
かつて、好きでもないのに毎晩酒を飲んでいた時代がある。
特に飲みたい訳でもないのに、飲むと幾らでも飲めた。飲めば飲んだで楽しいし、飲んだらぐっすり眠れた。アルコール依存症だったかも知れない。
こうちゃんと出会った頃は、二人で強い酒を毎晩飲んだ。美味しい料理を作ってこうちゃんをおびき寄せ、料理とお喋りを肴にズブロッカやジン、泡盛をロックで幾らでも飲めたし、酔わなかった。
それが、ある時からパタッと飲まなくなった。いや、飲めなくなったのだ。二人で350ミリリットルの缶ビールを１本分けて飲んでも、何だかほろ酔い気分になる。
もう充分飲ませて貰ったから憑き物が落ちたのかも知れないね・・・と笑った。二人とも、心が満たされてから、酔う為の酒を必要としなくなった。
さて、食欲の話だ。
体調が良くないせいも勿論あるだろうが、食べたいもののイメージが湧かないというのは、いささかショックだった。
そういう日々が続いているので、志気が上がらないったらありゃしない。。
若い頃、毎日でも良いと思った寿司も別にわざわざ食べたくない。焼肉は今でも美味しいと思うけれど、金額と欲求の間にギャップが大き過ぎる。
鰻も天麩羅も、もう充分に食べた気がする。一生分、食べてしまったのだろうか。
勿論、たまには食べたい。鰻の山椒煮なんかお茶漬けで食べたいので、冷蔵庫に常備しておきたい位に好きだ。
お茶漬け？この私が？そんなんで生存出来るのか？脂がなければ生きていけない位、脂が好きだったくせに・・・。
でも天茶（天麩羅でお茶漬け）は嫌い。油っこいお茶漬けなんか食べない。勝手な言い草。
刺身だって、あんなに好きだった大トロなんか、もう全然食べたくない。生マグロのしまった赤身の方がずっと良い。
思えば大トロは脂の味、赤身は血の味で決まる。身体が脂よりも血を求めているのだろうか。
今日は、またちょっと食欲廃絶状態に陥ったカワムラさんの通院の後、カイルとシロちゃんの為のご飯以外のおやつを中心に買い出しに出掛けた。
朝晩のご飯タイム以外に、何度も何度も姿を見せて鳴くこの２匹には、チーズを仕込んであるシーバをおやつとして与えていたのだが、余りにも頻繁にねだるので、殆どシーバばかりでおなかを膨らせていると言える。
カイルなんか妊婦のようだ。去勢したオスのくせに。
小春日和だったし、折角昼飯時に出掛けたのだから、何か外で食べてしまおうという事になったのだが、食べたいものが思いつかない。
仕方なく蕎麦屋に入り、たぬき蕎麦とカキフライ定食（大きなカキフライが堂々６個！）なんか食べてしまった。セットメニューではない。別個に注文したのだ。
これの、どこが食欲無いと言うのか・・・
バカな中年。
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