2017年9月29日 金曜日 |
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更新せずにいる間に、お彼岸は過ぎてしまった。
9月の「猫雑記」のカレンダーもヌケヌケのボロボロ。
ハッキリと感じる。
もう秋だ。
春も秋も悲しい別れの記憶がたくさん。
しかしそんな事に関係なく、今日は見事なまでの秋晴れで空気も清々しい。
寒くもなく暑くもない。
素晴らしい、有り難い、束の間の極楽の季節である事は確かなんだ。
そして今日は私たち、二人揃っての通院日だった。
夜明け頃から忙しく猫家事と食事を済ませ、少し仕事もしてから出発した。
早起きすると時間が有効に使えていいな・・・と当たり前の事を改めて思う。
少し前までは二人して同じように乗り切れていたはずの睡眠不足が、これまた二人して仲良く身体に堪えるになってしまった今日この頃。
それ見た事か、ツケが回ったのだ、あんな不摂生を長年続けていれば当然の結果だよと、もう一人の自分が言っている。
でも遊んでいて寝なかった訳じゃない、ああするより外に仕方なかったじゃん、知ってるでしょ?と言い返してやる。
それにしても、もう少し労わってやろう。
今更手遅れかも知れないけれど、幾らかはマシだろう。
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ペリー 手遅れじゃないよ
Sep. 29 , 2017
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ペリー 僕より寿命は長いよ
Sep. 29 , 2017
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そ、そうだね、ペリ君。
辛いけれど、君たち全員を天国に送り出してからでないと、この家も処分出来ないし、妹と故郷で一緒に住めるように出来ない。
幾つになろうと、少し努力すれば実現出来るかもしれないという目標を持って生きないといけないね。
頑張るよ、ママは。
ペリーも頑張れ。
先日、何かのきっかけから、こうちゃんと昔のアメリカのTVアニメの話をしていた。
そうだそうだ、とあるTV番組でウォルト・ディズニーの生涯を特集していたのを観ていて、話が他のプロダクションのアニメーションに及んだのだ。
【マイティ・ハーキュリー】や【フィリックス】、【ポパイ】や【スーパーマン】などなど。
その時、こうちゃんが【珍犬ハックル】を話題にしたのだ。
これまで一度も私たちの話題に上った事がなかったし、色んなアニメ懐古番組でも話題になった覚えがない。
「オーマイダーリン オーマイダーリン オーマイダーリン クレメンタイン」と歌いながら登場する、黄色いカウボーイ・ハットをかぶった犬。
同世代の人たちは、きっとご記憶でしょう。
そして奇しくもその直後、深夜のTVで映画【エターナル・サンシャイン】を観ていた時、ジム・キャリーとケイト・ウィンスレットの会話に「珍犬ハックル」が出てきたのには驚いた。
彼女の役名が「クレメンタイン」であることから、この【珍犬ハックル】の話題が出たのだ。
ほんの一両日に、2度も別のシチュエーションで【珍犬ハックル】が話題に上るなんて・・・こんなに長く生きて来て、今まで一度も口にした事がなかったのに。
ところで【珍犬ハックル】の「ハックル」とは、どこから名付けたものなんだろう?
「ハックルベリー」と関係あるのかな?
「ハックルベリー」で思い出すのは当然、マーク・トウェインの小説『ハックルベリー・フィンの冒険(Adventures of Huckleberry Finn)』だろう。
実はちゃんと読んだ事はないのだけれど、タイトルだけなら日本人でも大抵は知っている。
『源氏物語』や『ドン・キホーテ』、『水滸伝』みたいなものだな。
誰でも知ってる古典的名作だというのに、殆どの人が完読した事がないという点に於いて。
そして次に思い出すのは、映画【ティファニーで朝食を】での挿入歌「ムーン・リヴァー」の歌詞だろうか。
この歌の中に「マイ・ハックルベリー フレンド」という部分がある。
私の好きな2番の歌詞だ。
Two drifters, off to see the world
There's such a lot of world to see
We're after the same rainbow's end
Waiting round the bend
My huckleberry friend
Moon river and me |
これは「幼馴染み」という意味だったと思う。
どことなく切ない郷愁漂う、美しい歌詞と美しい旋律の名曲だ。
いつだつたか、ここでこの歌の歌詞については書いた記憶がある。
そんなに昔の事じゃない。
確か、「ムーン・リヴァー」とは何であるかについて書いたのだ。
しかし「ハックルベリー」というのは何だろう?
これも今まで一度も調べた事がなかった。
折角なので、今回は確かめておく事にした。
そして解った事。
「ハックルベリー(Huckleberry)」とは、「ビルベリー(Bilberry)」の事を指す方言のひとつらしいのだ。
そうか、ビルベリーの事だったのか。
他にも「ハートルベリー(hurtleberry)」とか 「ウォートルベリー(whortleberry)」 などと様々な方言で言われているらしい。
小さな日本だって、同じものを地方によって違う言い方をする事は多い。
ましてや大きなアメリカでは、そんな事はザラにあるだろう。
そのビルベリーとは、ブルーベリーのような、あるいはクロマメノキのような、酸っぱくて甘い小さな黒っぽい果実である。
昔からジュースや料理に広く使われていたらしい。
きっと野生で幾らでも採取出来たんだろうな、広大なアメリカの原野では。
そして「ハックルベリー」はその果実の小ささから、古くからの俗語として小さいものに対しての呼び方となったのだそうだ。
それが少しばかりの軽蔑、または充分に親しみを込めた意味で「馬鹿なヤツ」という意味合いも持つようになったらしい。
私など英語のネイティヴ・スピーカーとは程遠いので細かいニュアンスは解らないけれど、俗語とは言っても美しい、優しい言い方に感じられる。
日本語ではこんな場合、どう言うだろう。
これまた地方によっては感じ方も違うだろうが、「アホ」とか「おバカさん」では、きつくはないが内容的にストレート過ぎる。
「あんぽんたん」とか「とんま」などは、語感に多少の可笑しみがあってきつい感じがしないが、いかにも古臭い言葉になってしまった。
しかし古臭い言葉でも、残したければもっと使えば良いのだ。
みんなで遠慮なく。
たとえ目新しくて刺激的でもカッコ良くとも、面白半分に崩した、あるいは小汚い言葉ばかり生み出し、それを大した考えもなしに濫用していると、人間の心までがどんどん薄汚れていくような気がしてならない。
さもなければ本物のバカになるか、他人の心を慮ることのない無神経な汚物のような人間になってしまう。
もっと優しい心に裏付けされた、優しい言葉を大切にしたいと思う。
こんな事を言うのも、歳をとったせいなのか。
いやいや、私は日本語にはずっと保守的だったはずだ。
そこのところには意地があったからね。
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夜廻り猫 1,2巻
著者:深谷かほる |
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