2018年2月22日 木曜日 |
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昨日より更に寒くなる。
昨夜からの雨が一時は雪になっていたが、積雪する程ではなかった。
まだ明日にかけて降雪の予報で安心は出来ないのだけど。
先日の大雪では雪かきにとても苦労したから、たとえ雪は降っても積もらないでくれれさえすれば、もうそれだけで幸せだ。
なるほど、人間て苦労すると謙虚になるものなんだな・・・としみじみ思う。
もっと若い頃に苦労すべきだった。
亡き父が少女時代の私に言った事がある。
もっと謙虚でなければダメだと。
「謙虚」の意味は知っていたし、父が私のどういうところを指してそう言っているのかも感じていた。
だけどその言葉の意図する本当の意味や大切さなど、その時には解らなかった。
今は良く解る。
解った時には父は亡く、私自身すらもう人生の終わりに近づいてしまっている。
人並みに苦労もしたし幸せも手にした。
物事の意味など全て後になってからでないと解らない、とりわけ鈍い人間なんだな私ってヤツは。
そして今になって、また新たな苦労も与えて貰っているのだ。
正体不明の虫に刺され続けるという苦労。
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2015年のペロ むいむいが刺すの?
Feb. 22 , 2017
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大丈夫、君達のお部屋に「むいむい」はいないから安心して。
そもそもママが痒いのも、本当のところは「むいむい」のせいかどうかも解らないのよ、今でもね。
さて、昨日までの続きを書きます。
次々と皮膚科を変えながら、4軒目の総合病院の二人目の担当医師。
この割と信頼出来そうな皮膚科の女医さんに、「トコジラミ」を疑ってみるよう助言された私。
先ず、「トコジラミ」とは「アタマジラミ」や「コロモジラミ」などのような「虱(シラミ)」の一種ではなく、「カメムシ」の仲間であるという事だ。
たとえ「トコジラミ」が初耳でも、「南京虫(ナンキンムシ)」と聞けば、その名前くらいは知っている人は多いだろう。
私も聞いた事はある。
しかし「南京虫」がどんな虫なのかは知らなかった。
人を刺す虫だという事、しかし元々日本には居ないという程度の知識しか無かったのだ。
しかし今、日本でも大流行しているらしいのだ、「南京虫」いやさ「トコジラミ」。
知らなかった。
ダニとは違い、しっかり目視出来るだけの大きさがあるようなのだが、まだ私は1度も実物を見た事が無い。
そして「ダニ」のように、大金持ちだろうが貧乏人だろうがどこの家にも必ずいるものと違い、必ずどこかから持ち込まれないと感染しないものだという事だ。
言っておくけど、不潔にしているから発生するような類の虫ではないのです。
「コロモジラミ」であれば、着替えや入浴が出来ないような不衛生な生活の中で発生する事が多いのだと保健所のホームページにも書いてあるけれど、「トコジラミ」は昨年話題になった「ヒアリ」のように、どこからか持ち込まれて増えているのだ。
どこから持ち込まれるかと言えば、元々は外国からの旅行鞄や荷物に入り込んで持ち込まれたものが繁殖したらしいのだが、今ではホテルのみならず、一般家庭でも大発生していると言うではないか。
全国のどこの自治体のホームページにも警告のページが作られている。
その実態がどれだけ深刻なものであるか、それだけ見ても良く解る。
試しに「トコジラミ」と打って検索してみて下さい。
あまりに膨大な結果が出てきて、画像あり動画あり、そして体験談も多くてビックリするから。
更には害虫駆除業者のサイトでも(ほんの一例だけど⇒ここなんか)、各保健所や医療機関でも、トコジラミという生き物の駆除の困難さゆえ、是非とも専門業者に駆除依頼するよう勧めているのだ。
しかしちょっと待てよ。
本当に私を刺しているのはトコジラミなのか?
先ずはトラップを何種類か購入し、手作りトラップも用意し、私が刺されるベッドを中心に何か所も置いてみた。
しかし1匹も掛からない。
そもそもどこから持ち込まれたと言うのか、トコジラミが。
舶来の家具も新たに買っていない。
あの頃増やしたものと言えば、枕くらいのものだ。
枕?枕が感染源なのか?
思い切って、待ち伏せタイプの殺虫スプレーをベッドの周囲に撒いてみる。
これはピレスロイド系の殺虫剤より強力で、カーバメイト系の薬剤だ。
出来る事なら使いたくなんかない。
しかしここまで来たら仕方ない。
待ち伏せスプレーをした翌日、辛うじて目に見える大きさのキラキラする粒を床からセロテープで取ってはマイクロスコープで観察するのだが、そこにはおぞましい姿をした虫の死骸があった。
但し、それはトコジラミではなく、これまたどこの家にもいるであろう、衣類の害虫「ヒメカツオブシムシ」の幼虫の死骸だった。
黄色とこげ茶の縞々の胴体に毛がいっぱい生えている幼虫で、頭部(お尻じゃないよね)が真ん丸だ。
それと小さな小さなゴキブリの赤ちゃんの死骸もあった。
話が逸れがちだが、マイクロスコープで見ると、小さなコバエの複眼や手足に生えたトゲトゲのような毛までがくっきりと細部まで見えて、その造形美には思わずひれ伏したくなる。
神様の作り給うた生き物の形には、こんなミクロの世界に至るまで、複雑でありながらひとつひとつに列記とした存在意味があり、無駄が無く美しい。
コバエの複眼があまりにも美しくて、つい標本として保存してしまったよ。
バカだな、私。
しかし私を吸血しているものが本当にトコジラミだとしたら、流石に怖い。
巣の近くには、大量の黒い小さな粉のような糞が大量に見られると言う。
しかしそんな糞も、要所要所を探しても探しても見られないのだ。
トコジラミの成虫はリンゴのタネ程の大きさにもなるらしいので、幾ら動きが早かろうと、明るい時は暗い隙間の巣に隠れてしまおうが、8か月もの間に1匹も死骸すら見かけないなどという事があるんだろうか?
トコジラミなのか、そうでないのか、誰かハッキリさせてくれ!
正体が解らないままでは気持ちをぶつける相手が解らない。
業者に依頼する事も考えたし問い合わせもしたけれど、やる事は私たちがした事と同じなのだ。
つまりトラップとスチームでの駆除だ。
しかも毎日何か月も続けてくれるなどという事は無い。
自分たちで業者に負けないレベルの事をすると決めたんだ。
だって怖がりの猫たちがいるところに、業者を入れる事は出来ないから。
さんざん調べ、専門家からの話も聞き、決めた事なのだ。
だからやるしかない。
何だろうが徹底的にやるよ、「地獄の苦しみ」というのはあながち大げさではないのだから。
毎日何か所も刺され痕が増えて行き、そのひとつひとつが古い刺され痕と共に激しく痒い。
この痒みを止める薬が無い。
いっその事、皮膚をえぐり取ってしまいたい衝動に駆られる。
そして醜い痕がしっかり残る。
この水玉模様は、死ぬまでには消えないような気がする。
若い頃でなくて本当に良かったよ、肌を出す衣服などもう着られないもの。
幸い顔や手の平は刺されず、首や腕なども比較的無事なので、何とか人と会ってもぎょっとされずに済むが、もはや肩が丸出しになるようなドレスは着られない。
ドレスなんか着る必要もないけどさ。
兎に角、何であれ退治しないではいられないでしょう。
何百か所もの刺され痕が、激しく痒いのだ、他の事が何も出来ない位に。
ダニだろうが南京虫だろうが何でもかまわない、もはや駆除あるのみ。
私たちは「エクスターミネーター」と化す。
でも、どうやって駆除するのか?
トコジラミの姿は発見されないまま、それでも一応、トコジラミを想定して駆除を開始した。
それは専門業者もそれで駆除するという、スチーム噴射での駆除だ。
ふふふ、うちには強力なスチーム掃除機があるのだ、ザマーミロ(虫に言っているのです)。
「ケルヒャー」のスチーム掃除機、早い時期に買っておいて良かった。
買って以来、何度か使っただけで宝の持ち腐れだったけれど、昨年夏からは毎日大活躍。
ベッドマットレスを上げ、木部を分解して、あらゆる隙間やネジ穴部分などにしっかりとスチームを噴射する。
壁と天井の継ぎ目、引き戸と壁の隙間、棚の後ろなど、高温にしても大丈夫な場所は隅々までスチームを吹き付ける。
何の虫であれ、成虫だろうと卵だろうとスチームの熱ならイチコロだ。
私、この家に巣食う虫でなくて本当に良かった。
それと同時に、洗濯は相変わらず熱湯に浸けてから洗い、シーツにはアイロン、アイロン掛け出来ない毛布やベッドパッド、化繊の衣類は乾燥機で高温にする。
勿論、バキューム掃除機も念入りに掛けるし、拭き掃除も毎日徹底する。
どれだけ手間と時間が掛かるか、ご想像に難くないでしょう。
こんなものも対策として取り入れた。
洗う事が出来ず、スチームも内部までは届かないベッドのマットレスに関しては、トコジラミの本場アメリカ製の、トコジラミごとマットレスを包んで外に出さない構造のカバーというヤツも購入した。
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クリーンレスト
南京虫(トコジラミ)対策 マットレスカバー
ダブル 140x195x23-46cm
価格:¥9,386 |
なるほど、この手もあったかという感じだった。
ベッドマットレスにトコジラミが住み着いているのかどうかも不明だけれど、これもやらずにいられないじゃないか。
マットレスからもどこからも血糞が発見できない事から、どうもトコジラミではないような気がしているけれど、やれることは全てやり尽くす。
高かったけど、このシーツでひとつ安心が増えると思えば安いものだ。
そういう事ひとつひとつに価値があるのだ、ここまで来ると。
こうして文字通り血眼になって、可能な限りの対策を8か月近くやり続けた。
皮膚科の先生にもここまでしていると言うと、おそらく個人でここまで出来るケースは少ないだろうと言われる。
もはや私たちはトコジラミの駆除業者になれるのではないかとすら思えてきた。
スチーム掃除機の威力は、素晴らしい。
そんな事をあれもこれも熱心に続けているうちに、季節は寒い冬となり、新たに刺される事が少なくなっていくのだった。
単に虫が卵で越冬しているだけかも知れないし、これだけ徹底して駆除対策をしつこくしつこく続けたのだから、絶対数は減らせたんじゃないかという気もしていた。
そうするとあれだけ苦しんだことが夢のように、喉元過ぎれば痒さを忘れた。
刺されないって、痒くないって何て幸せなんだろう。
新たに刺されなくなり、丁寧に料理する心の余裕も出来た。
お正月にはなますとお雑煮くらいしか作れなかったし、その他の平日にはあまりの忙しさに良くても納豆ご飯、ひどい場合は買い食いで済ませていた。
けれど松が明ける頃には、寒い冬の朝食用にオニオングラタンスープを作ったり、いただきものの里芋を煮たり、いただきもののキャベツで酢漬けを作ったりして楽しんだ。
妹に鶏団子スープや煮物を送ったりも出来た。
ずっと痒くて苦しくて、ろくな料理をしなかったんだ。
あの地獄のような、毎晩凄まじい勢いで刺され続ける虫刺されは解決したのだろうか。
もう我が家では死滅したのかな。
ふん、バカ者(私の事です)、そんな甘い考えでどうする。
悪夢再び?はて・・・
あと少し、この話は続きます。
そして同時進行した別の問題にも少し触れる事になりますが、それもまた明日以降に・・・。
もうこの話題、ウンザリですよね~、わかります~。
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夜廻り猫 1,2巻
著者:深谷かほる |
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