猫雑記20111031

2011年　CAT'S EYES & CAT'S HANDS　

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マーゴ

ペロペロしてたら・・・

Oct. 31, 2011

2011年10月31日　月曜日

従姉妹のケコちゃんと３５年ぶりに会い、死んだ人の話をたくさんしたハロウィンの一日

母の死のお陰で、ずっと会っていなかった従姉妹と連絡を取ったら、意外に近くに住んでいる事が判明して、今日、ようやく再会を果たせた。

日吉駅で待ち合わせたケコちゃんの顔は、直ぐに判った。

お互いに５０過ぎのオバサンになってしまったけれど、子供の頃に知っているケコちゃんのままだった。

いや、少し叔母さんに似て来たかな。

私の事は、「カズエちゃん、パパにそっくりになって来たね」と言われる。

あ～あ。

そりゃあママに似ているとは言えないよな、お世辞にも。

ケコちゃんは私より２歳下だけど、子供の頃から憧れの存在だった。

だってケコちゃんは天才で、私がいくら努力しても手に入れられない天賦の才能を持っているのを感じていたから。

それでいて少しも奢る事が無く、天真爛漫、明るくて無邪気な、譬えれば太陽のような、或いはライオンの仔のような女の子だったのだ。

女の子に対して「ライオンの仔」というのも失礼かも知れないが、ケコちゃん自身が、小さい頃「大人になったら何になりたい？」と聞かれて「ダイオン！」と答えていたのだから仕方ないよね。

天才だったにもかかわらずケコちゃんには野心も欲もなく、その才能を存分には発揮しない道を選んだ。

スポーツに例えるならば、オリンピック・アスリートになれたはずの素材なのに、そちらを志さず、おとなしく最初から体育の先生になった・・・という感じかな。

勿論、先生だって素晴らしい仕事だ。

そこに価値が無いと言っているのではないという事は、ご理解戴きたい。

何か言うと直ぐに批難のメールをお送り下さる方がいるけれど、これは個人の日記なんだし、余程人道的に酷い事を言っているのでもない限り、私の意見がご自分の価値観と違ったとしても、それはスルーして戴きたい。

そして、こういう私を見限って戴いて結構だと思う。

ここでも開き直るようですけど、治りませんよ、５４歳にもなってこの性格は。

ケコちゃんは、自分のその人並み外れた才能を生かす道から大きく外れては居ないものの、穏やかで激しい競争など存在しない道を選んだのかも知れない。

堂々と世界に打って出られるような、そもそも普通の人間が幾ら努力しても真似出来ないような、敢えて「天才」と呼ぶに相応しいだけの才能があったのに、これでは余りにも勿体ない・・・と思ってしまうのは、私が無責任に俗っぽい目で見ていたせいかも知れない。

ゴメンネ、ケコちゃんの気持ちも想像せずに。

ケコちゃんは私との３５年の空白の間に、穏やかで優しい思いやりに満ちた大人の女性に変化していた。

それに比べて、私はまるで子供の頃のままだ。

昔馴染みの従姉妹だと思うと、ついありのままの自分を曝け出してしまうせいもあるのだが、余りにも素のままを開けっぴろげ過ぎるのではないかと、後になって恥かしくなった。

特に食べる事に対する並外れた本能や欲求をどんな時でも捨てられない・・・捨てられないどころか積極的に働かせ続けている私は、まるでケダモノのようだ。

大人として何事に於いても自制心を働かせ、「中庸」を心がけているような妹やケコちゃんにとっては、このケダモノは笑って許すしかない対象の一人であろう。

「対象の一人」と言うのは、父方の一族には他にも同じような人間がいるからだ。

一人は死んだ祖母であり、また一人はその娘でもあるケコちゃんの母親、つまり私の父の妹だ。

色んなエピソードを聞くにつけ、血は水よりも濃い事をつくづく感じずにはいられなかった。

父も母も、もっと抑制を利かせている人達だったのに、親に似ず祖母や叔母に似るとは。

しかし、子供の頃から大好きな叔母ではあったのだけれど、ますます好きになった。

その叔母とも、何十年も会っていない。

社会人になってからというもの、そして猫と暮らし始めてからは親や妹とだって殆ど会っていないのだから、ましてや親戚とは全く交流が無かった。

親の葬式にすら出なかった私なのだから。

そういう道を選んだ、所謂「人の道」から外れた私を苦笑しながらも温かい目で見て受け入れてくれる人としか、これからも付き合えないだろう。

何だか開き直りのようで気が引けるけれど、仕方ない。猫を選んだのだから。

ケコちゃんは、こんな私を許し、３５年のブランクがあったにもかかわらず、ちゃんと受け入れてくれていると思う。

優しい人だから。

ケコちゃんといい妹といい、そしてこうちゃんといい、大人だと思う。

私がケダモノなものだから、まことに申し訳ない。

会えて良かった。

何を話していても楽しかった。

そりゃあそうだろうさ、好き勝手言っているんだから、私は。

まだまだ話し足りないから、近々また会おうね、ケコちゃん。

近くに住んでいるんだし。